科学の発見 (文春e-book)

  • 文藝春秋 (2016年5月10日発売)
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感想 : 11
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ウィッグ史観(ホイッグ史観)上等の立場で、科学史を解説。科学とは何かという著者の立場から、アルキメデスやデカルトらをめった切り。ケプラーやガリレオらによる科学革命はあったという立場で、それ以降とそれ以前で科学は全く異なるものとなったとしている。比較的平易で読みやすい。
科学が今日あるように昔もそうだったのだろうと、何となく思い込んでいたが、まったくそうではなかったということがよくわかった。万物の根源は水であると古代ギリシャのタレスはいったが、確かに今日の科学者であれば、その仮説の真偽を実験によって確かめようとするだろう。しかし、タレスはそうしようとは考えなかった。その時点でタレスは哲学者ではあっても、今日的な意味での科学者ではなかった。
だとすれば、現在の科学に対する捉え方が未来永劫そうであるという保証はなく、何千年か後にはまったく違うものになっているかもしれないとも感じた。それがどんなものかは凡百の身には知るすべがなさそうだが。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 科学
感想投稿日 : 2017年9月7日
読了日 : 2017年9月7日
本棚登録日 : 2017年9月3日

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