恋する狐

著者 :
  • 光文社 (2014年8月19日発売)
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本棚登録 : 275
感想 : 44
5

蕪村の周りの、ちょっと不思議で温かい気持ちになれる短編集。
前回の『踊る猫』と違い今回は蕪村の絵に因んだ物語。

短編の中で「虫鬼灯」「鵺の居る場所」は切なくて温かさがじわじわ染みて泣けたけど、一番は「箱の中」。
亡き祖母の部屋の天井裏から出てきた一つの箱。
おりんが我慢できずに開けてみると…。
若い頃の祖母が心の中に小さな箱を隠し持ち必死で明るく振る舞う姿に泣けた。その箱の中で小鬼がけらけら笑いながら見守ってくれている…。

若冲曰く、蕪村の絵は見る側に色々想像させる力があるという。
蕪村の「伝わる」絵を私も体感したい!
シリーズ第3弾も是非描いてほしい‼

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 折口真喜子
感想投稿日 : 2017年8月17日
読了日 : 2017年3月4日
本棚登録日 : 2017年3月4日

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