小川洋子の肉々しい話は苦手だ。すべては即ち生きることの描写なのだけれど、自分がとても醜い肉塊に思えてくる。実際そうなんだろうけれど(食物連鎖のサイクルからはみ出す生物に何の意味がある?)。駅で、駅員と警察を困らせる精神障害の女性を見た。地下通路で、暗いうろのような目ばかり目立つホームレスの男性とすれ違った。私はどちらも怖い。しかし、私とそういった人たちに差異なんてないのだ。アイデンティティという言葉で纏められる。うんざりしてしまう。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
あ行の作家
- 感想投稿日 : 2007年4月13日
- 読了日 : 2007年4月13日
- 本棚登録日 : 2007年4月13日
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