完璧な病室 (中公文庫 お 51-4)

著者 :
  • 中央公論新社 (2004年11月25日発売)
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小川洋子の肉々しい話は苦手だ。すべては即ち生きることの描写なのだけれど、自分がとても醜い肉塊に思えてくる。実際そうなんだろうけれど(食物連鎖のサイクルからはみ出す生物に何の意味がある?)。駅で、駅員と警察を困らせる精神障害の女性を見た。地下通路で、暗いうろのような目ばかり目立つホームレスの男性とすれ違った。私はどちらも怖い。しかし、私とそういった人たちに差異なんてないのだ。アイデンティティという言葉で纏められる。うんざりしてしまう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: あ行の作家
感想投稿日 : 2007年4月13日
読了日 : 2007年4月13日
本棚登録日 : 2007年4月13日

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