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レビュー by 目分量さん
「出版・言論の自由」「自由共和国建設論」の2編所収。
宗教改革の波がイギリスにも来て、共和国が建設された頃(17世紀)に刊行された論で、ここに展開されているのは、当時の具体的な状況に根ざした問題であり、また論の正当性のよりどころが、キリスト教的に正しいかどうかというところにあり、ここから普遍的なことを読み取るのは、私の手には余る。
「出版・言論の自由」
結婚や離婚というのは、教会が司るものではなく、個人的な問題であるということを述べた「離婚の自由」という本を出版しようとしたところ、検閲によって差し止められたため、出版の自由を擁護するため出版したんだか、議会で演説したんだかしたもの。
異論を封じ込めるのは真理にもとる行いである、検閲によって本来の目的は達せられないということを述べていたと思う。当時から、読書には悪に感染する危険があるとか、悪書からも思慮分別があれば学ぶことができるとかいうことは言われていたようだ。
言論の自由の黎明期とも言っていい時期だけあって、言論の自由の適用範囲は狭い印象(キリスト教の範囲内)で、理屈自体は単純に済んでいるように見えて、うらやましかった。ただ、適用範囲は狭いので、エロを子どもが見ることについて、ミルトン先生は、正しいキリスト教徒ではない、邪悪な行いだと言いそうだった。
「自由共和国建設論」
いったん共和制になったものの、打ち続く混乱に、王制に回帰しそうにある情勢を止めようとした論。
王制になれば、人々は奴隷のように扱われ、王たちは国民ではなく、自らに奉仕する。つい最近までそうだったのに、忘れちゃったのかよ。そんなだったから共和制になったんじゃんというような内容だったと思う。
当たり前だが、時代背景や党派間の対立関係が説明なく出てくるので、内容が把握しづらかった。こちらのほうは、当時の状況に、より影響された論を展開しており、やや極端な印象を受けた。
レビュー登録日 : 2011年01月03日
引用
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人間は良い麦を悪い麦から、良い魚を悪い魚から完全に区別できません。それはこの世の最後に天使たちがする仕事にちがいありません。すべての人が同じ心をもっているわけではないからです(誰がこれを期待できましょう)。すべての人が強制されるより、寛容に遇されるほうが明らかに有益であり、思慮があり、キリスト教的であります。
― 76ページ -
どんな良い書物でも、よこしまな心には悪をつくる機会となります。悪い肉はどんな健康な消化力であっても栄養にはなりません。この点、悪い書物とは異なっています。悪い書物は、思慮分別のある読者には、良いことが多くわかり、論破し、前もって警戒し、例証するのに役立ちます。
― 27ページ






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