くらっしゅまんさん
酒見 賢一
新潮社 (1993年04月25日)
ファンタジー
およそお堅い后候補に似合わない天真爛漫な主人公銀河をはじめ、王子や山賊といったキャラクター設定に興味を惹かれる。また、奇抜なアイデアに満ちたストーリー展開や、登場人物の発想が鮮やかで、構成に味を持たせている。そして、物語が終わって、書評を述べる解...
田中 芳樹
光文社 (2005年09月22日)
前巻から6年、満を持しての登場。 ヒルメスを装う黄金の仮面に対し、ミスルに潜入した真のヒルメスが取った意外な行動。対面のシンドゥラにも間の手が忍び寄り、パルスを囲むそれぞれの隣国に緊張が疾る。そんな中、魔の山デマヴァントに閉じこめられたクバードら...
貴志 祐介
角川書店 (2004年04月21日)
ミステリー
ホラー路線から、前作の青春モノ?を経て、今回著者初の本格ミステリーである。密室殺人という、出尽くしてしまった感のある伝統的なジャンルに敢えて挑みながらも、斬新なトリックは見事だった。推理モノのように思わせておいて、実はそうではないストーリー展開も...
宮部 みゆき
新潮社 (1993年09月)
大きな二つのストーリーが更に枝分かれし、それぞれが中盤から少しずつ絡み合ってくる。―もしかしてこの人たちは繋がっている?―と思わせる台詞を忍ばせるなど、先を想像させる展開が巧い。また、最後まで『レベル7』の意味が判らず、それも、読んでゆく家庭で想像...
牧野 修 小菅 久実
早川書房 (2000年01月)
「灰かぶり市」「戌児」「タケ」といった、地名人名名前の付け方が面白い。関西弁をしゃべったり、物語を構成してゆく要素に手を抜いていない感じがする。無関係に見えたレースに参加する各人が、それぞれの目的に向かって微妙に絡み合ってくる展開も見事。『王の眠...
小笠原 慧
角川書店 (2003年05月)
一つの物語なので最終的には一つの結末を迎えるのは想像つくが、序盤に起こる様々な出来事からどのような結末に導いてゆくのか、全く先が読めない。人間が遂げてゆく進化の方向性の設定がまず面白くできていて、新しい人種が人間を淘汰しようとする過程(心の動き?...
高千穂 遙 安彦 良和
朝日ソノラマ (2003年03月)
SF
同作者の別作品「ダーティペア」とジョウの親父さんとの活躍を描く、クラッシャージョウシリーズ外伝の1巻である。今まで語られなかった、若かりし頃のダンや、美少年時代のタロスの活躍が描かれ、クラッシャー心をときめかせたのを未だに鮮明に覚えている。最後に...
光文社 (1999年06月)
主人公(達)の設定がユニークで良い。擬人化に上限はないのか?宮部みゆきは、天才作家だと称されているけど、本当に面白い視点を持っているなぁ。つくづく感心してしまう。もちろん、ストーリー展開も、読者の先読み心を見事に誘導してくれて、見たい場面が見たい...
角川書店 (1996年04月)
ホラー
貴志祐介のデビュー作知識も豊富で、多重人格についての説明も上手く一気にのめり込んでしまった。後半、私の得意ではない(むしろ嫌い)な分野のジャンルになってしまったため、やや興ざめしてしまった。ではあるにせよ、理詰めで展開する構成のお陰で、飽きずに読...
瀬名 秀明
角川書店 (1996年12月)
バイオホラーの先駆け的な存在である。これに影響されてか、これがホラー大賞を受賞してから、バイオテクノロジーを題材にした作品が増えたかのように思う。また、これを高く推した審査員曰く、この作品を超えるホラーはしばらくないだろうと言っていて、私も多少な...
新潮社 (1995年01月)
何でもアリになってしまうので、超能力モノはあまり好きではなかった。しかし、さすがは宮部みゆきである。現実的な背景設定で、見事に仕上げている。冒頭のトリックを懇々と明かしてゆくシーンに、思わず身震いしてしまった。それからは一気に読み切り、興奮さめや...
中井 拓志
角川書店 (1998年12月)
左腕が、本体の人間を離れて独立“歩行”するという、まかり間違えば C級スプラッタ映画のようになりがちな設定であるが、後半、何故左手だけなのかという説明が巧みであり、感心してしまうほどである。ただ、そういった科学的な根拠がしっかりしている分、ホラー要...
朝日ソノラマ (2003年10月)
シリーズ9作目となる久々の作品である。しばらく高千穂作品と離れてしまっていたが、久し振りのシリーズ新作は、若かりし頃のドキドキ感を思い出させてくれた。そんなライバルが今まで名前すら存在していなかったということに、ちょっと強引さが見られるが、それ以...
新潮社 (2004年06月29日)
文章が面白い。それぞれのエピソードが新聞記事の張り合わせを思わせる書き方であり、初めはとっつき難いが、徐々に違和感を感じなくなり、それが自然に感じてしまう。そういった面で、後半あるいは最後に、ナルホドと思うトリックに気付くが、それに、読んでいる段...
新潮社 (1993年01月)
はじめて宮部作品に触れ、そのすごさに気付かされた本。人物の設定が見事なのだ。主人公ではない人間にも厚みがあって、互いに進行に巧く組み込まれてゆく。読者が不審に思った点の解説も見事だ。この人にウソをつかせたら(フィクション小説自体、ある意味ウソだが...
新潮社 (1998年01月)
「かしゃ」と発音する。「火の車」の意味の如く、現代の借金形態の代表であるカードローンに起因した事件が展開する。ストーリー展開上の設定はもちろんのこと、主人公や取り巻く人物たちの設定が巧みに生かされ、絡み合いながら物語が進行してゆく。また、ボケのく...
小川 一水
早川書房 (2003年06月)
時代設定は西暦2035年。現在よりもやや進んだ科学力の設定が巧みで、まずそこに興味をそそられる。後半、第六大陸の意味が明かされていく下りでは、まさに第六大陸ですなぁと、大いに納得してしまった。
尾瀬 あきら
講談社 (2003年10月10日)
『夏子の酒』の主人公、「夏子」の祖母、「奈津」の話である。佐伯酒造で18歳から奉公している老婆、「しず」の語り口調で語られる構成は、時代とは逆に新鮮さを覚える。
光文社 (1997年06月)
描写表現力の巧さを非常に感じる作品である。場面が映像として鮮明に思い浮かぶような小説は、他には思い当たらない。スピード感あふれる展開も、一役買っているのだろう。読み終えたときに、映画を観終えたときのような錯覚を覚えた。
桐野 夏生
講談社 (2002年06月14日)
同年のホラー大賞作品『黒い家』を尻目に「このミステリーがすごい」の1位を獲得した極め付けのミステリーということで、読んでみた。過剰に期待していたが、その期待を裏切らない、すごい展開が待っていた。完璧にハマりきってしまい、あっという間に上巻終了した...
岩明 均
講談社 (2005年11月22日)
期待に違わず、面白い展開を迎えている。エウメネスの思慮深さと命運にむしろ感動すら覚える。新天地に立ってから、1巻の青年部分に至るまでにどういう展開になるのか、非常に楽しみである。
講談社 (2004年10月22日)
なんとなくそうかな〜という、予想通りの展開となった。しかし、方向は合っていたものの、さらにもう一歩踏み込んだ展開でありなかなか読み応えがあってよろしい。道端の子供を不意に盾にするシーンなど、ものすごくあっけなく描かれていて現実味のない画があるが、...
寄生獣の印象から、それなりに残酷なシーンのあることを期待?していたが、冒頭からいきなりとは。油断して、食欲が一瞬なくなってしまった。読むときはご注意を。それにしても、人って、こうも残酷になれるもんなんですかねぇ。奴隷制度の捕らえ方も使う側と使われ...
幸村 誠
講談社 (2004年02月23日)
いよいよ完結。ハチは、木星へと出発した。月周回軌道上では、地球人の友達を100人作りたい異星人、男爵が奇妙な行動を取る。男爵の置かれている立場の設定は、SFでは良くある設定であるが、この物語で描かれると、妙に新鮮さを感じるのはなぜだろう。ハチの最...
講談社 (2003年01月21日)
目標を達成するに伴って、自分の一部を見失うハチ。それを救おうと、父ゴローさんを含めたクルーが奮闘する。一方で、愛を訴えつづけるタナベの、知られざる過去がこの巻で明らかにされる。そして、ある意味この巻で終了しても良いとも言える、新たな展開がある。そ...
講談社 (2001年10月20日)
一介のデブリ回収業者だった主人公ハチが、大いなる夢を見つけた。夢を叶えるためには、何を犠牲にしても構わないと言うハチに対する周囲の反応は?一巻の最後から連続する形で、一話完結スタイルではなく一つのストーリーとして構成が変わってきている。新たなキャ...
講談社 (2001年01月20日)
ひさしぶりに、面白いと思える宇宙モノ漫画である。近未来におけるスペースデブリ(宇宙ゴミ)回収員のお話だ。キャラクターが作りこまれていて、個性が生かされた展開と、キャラクター同士の会話が面白い。たまたま見かけたので購入したが、2004年にNHKでア...
たかしげ 宙
小学館 (2006年06月)
オーパーツに関しての解釈が多少強引なところもあるが、そういった面を踏まえて面白い。全エピソ−ドを通じて最も気に入っているのが、アニメ映画にもなった「ノアの箱舟伝説」難点を一つ。殆どのエピソードにおいて、なんとなく尻切れの感が否めない。物語の設定がす...
第一話のシーンから、単なる『画だけで見せるホラー』かと思っていたが、とんでもなかった。序盤で寄生獣の使命が明かされると、この物語が背負っている重いテーマが判明する。地球環境問題や、心の闇、異種間の生命論までが、物語を通して訴えかけてくる。真の寄生...
松田 隆智
小学館 (2001年04月)
この中で登場するメインの拳法『八極拳』を日本に初めて伝えたとされる松田隆智さん原作の作品である。この中に出てくる中国の教え『仁義礼智信厳勇』『天の導き』などに、深く感銘を覚えた。私の周りには、この本を“バイブル”とする人も居る位だ。ただ、物語の展開...
講談社 (2004年06月11日)
日本酒に対する見方が変わった本である。恥ずかしながら、今や日本酒はホンの一部を除いて全て機械造りかと思っていたのである。全国の酒造業さま、杜氏さま、ごめんなさい。今後は、謹んで日本酒を感じさせていただきます。
朝日ソノラマ (2005年05月26日)
シリーズ10巻目。ストーリーに直接関わるわけではないが、過去のエピソードに関連した表現もあり、昔からのファン心理を楽しませてくれる工夫がなされている。だが。読み終えて、著者の老いを感じるのに禁じ得なかった。盛り上がりに乗り切れていない感がどうも否...
朝日ソノラマ (2003年02月)
映画版『クラッシャージョウ』のノベライゼーション。小説のシリーズとは多少設定が異なるが、全く違和感がない。映画冒頭のタイトルからメインテーマが流れている間、小惑星の周辺でなにやらジョウ達が作業している場面があるが、そのエピソードがしっかり描かれて...
朝日ソノラマ (2002年05月)
シリーズの中で、一番好きな作品。人面魔獣の設定もさることながら、ジョウのチーム以外のクラッシャーがどんどん出てきて、それがどんどんやられてしまう(汗)のである。そんなバケモノ相手に、なぜアルフィンが勝ってしまうのかなど、強引な展開はあるが、それは...
朝日ソノラマ (2001年07月)
これは、シリーズの中で最もSF心をくすぐられた作品である。なにせ、地球人以外の生命体とのコンタクトの話なのだ。そんな重要な役に、なぜジョウが、という疑問も吹く飛ばす位説得力のある展開は、流石である。この作品を読み終えてから、クラッシャージョウシリ...
早川書房 (2003年08月)
一巻は確かに、緻密に計算されたリアルな内容であったのだが、いまいち乗り切れない感があった。しかし、二巻に突入して、ある事件を元に一気にハードSFであることを見せ付けてくれる内容となった。それを切っ掛けに、今までこの手の小説としてなかった状況が展開...
E.E. スミス E.E. “Doc”Smith
東京創元社 (2002年01月)
スターウォーズの原案作とも言われる、宇宙モノSFの大代表作。映像化不可能とまで言われていたが、CGの発達によりそれが可能となり、日本でアニメ映画化もされた。アニメ映画版では、レンズの位置が手の甲になるなどの映像化に際してのかっこよさが強調されて、...
ロバート・A・ハインライン 福島 正実
早川書房 (1979年05月)
元祖(?)タイムマシンものであろうか。この時代設定から見た“未来”は、もう来てしまっていて、作者の予測を裏切る現実ではあるが、そんなことは無視できるほど実に面白い作品である。こう言ってはなんだが、昔のSFって、大雑把でも面白い作品が多いなぁ。
夢枕 獏
祥伝社 (2000年08月)
古代インドに実際に布かれていた身分制度(カースト制)に独自の解釈を加え、半身が獣と化した魔族と人間の緊張した世界観がまず目を引く。そこへ、シッダールタを始めとする主要の登場人物が持つ、本書の統一したテーマである「永遠の命」の捉え方が面白い。その個...
田中 芳樹 丹野 忍
光文社 (2003年11月28日)
この巻で、第一部が終了し、その3年後からを描く第二部が開始される。第二部では純真だったアルスラーンもお人が悪く(?)なり王者の風格が見え始め、それにつれて慕ってくる人間もまだ増えてくる。従事たちのキャラクターもだんだん明かされてきて、いよいよ大詰...
光文社 (2003年02月21日)
軽い気持ちで読み始めたら、すっかり虜になってしまった。アルスラーンの純真さ、ダリューンの武勇、ナルサスの知略、それぞれが絶妙に絡み合って、実に面白い展開になっている。特筆すべきは、そこだけではない。やはり、著者が苦手としている(本当に苦手なのかど...
祥伝社 (2000年12月)
壮大な物語の、いよいよ最終巻である。ザラ王は本当に存在するのか。永遠の命を得る方法はあるのか。永遠に生きることで何かを捨てる事はないのか。そうまでして得るものとは何なのか。著者が、『逃げずに書いた』という、最終段でのシッダールタ覚醒のシーンはもと...
祥伝社 (2000年09月)
この巻の中盤で、35年前の事件がクライマックスを迎える。ザラ王への謁見に向かう、アクスの言動に注目である。陳夢龍が、ラダが、そして“鼠”が、どういった経緯でまたザラ王への謁見に挑むのかが明らかになる。見どころは、後半にある、シッダールタとマハムトと...
2巻からは「霊水編」とされ、前作のおどろおどろしさを引きずりつつも、“命”という重いテーマに正面から挑んでいる力作である。この巻の後半からは、シッダールタらが永遠の命を得たというザラ王に会おうとする現在より、35年前に起こったという事件についてのい...
ジェイムズ M.ケイン 小鷹 信光
早川書房 (1981年11月)
唯一読んだ洋モノミステリ。郵便関係の話しかと思ったら、ぜんぜん違うのね。解説を見て、ナルホドと思った。よく、映画と小説で二度楽しめるミステリと称されている。ただ、映画を観たことがないので判らないが、映像化した所も見てみたい気もする。そういえば、主...
角川書店 (2002年10月)
ある日新聞を見ていたら、下の広告欄にこんな文字が目に付いた。―氷のように冷たい殺意を抱いて―。まずそれだけでゾクリとした。しかも、よく見るとあの『貴志祐介』ではないか。ほぉ、『青の炎』。「黒」「深紅」に続いて3色目の「青」の登場か。貴志祐介のホラー...
角川書店 (1999年04月)
サバイバルをテーマにしたホラー。 『火星の迷宮へようこそ』なんて、最初はくだらない内容かとタカをくくって読んでみたら、その面白さにぐんぐん惹きつけられてしまった。 とにかくテンポが小気味良い。RPGを進めるような感覚でページが進んでゆく。専門知識...
角川書店 (2003年03月)
たしかにホラーなのだろうが、理解するのに必死で恐怖感がまったく伝わらなかった。私の頭が悪いだけかも。『9.7フラクタル次元で無限にアゲハ蝶を捕まえる』ん?『逐次処理を行わず法則性を一瞬で見抜いて一気に畳み込む』んん?一つ一つの単語の意味は解らんで...
角川書店 (2000年12月10日)
前作の『黒い家』同様、現実として起こりうる恐怖であり、結果的に、根源は人間の行為そのもにが恐怖するという天では一致しているが、“恐怖”の種類が異なる。単純に恐いのではなく、それに加えて本書は、どちらかというと気持ち悪いという要素が加わるだろう。登場...
日本サイコホラーの金字塔。心の底から恐さが滲み出ます。推理小説ではないため犯人が最後まで判らないような文章上のトリックはなくすんなり読めるが、この作者の特徴である豊富なデータを生かした緻密な展開は、こと中盤から後半にかけて恐怖心を見事に引き出して...
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