レビュー by Cyberさん
石原慎太郎氏のエッセイ本。『老い』とは誰にでもやってくることであり、勿論、『死』も誰にでもやってくる。決して避けられない運命。だからこそ、『老い』に対して今何ができ、何をどう備え、立ち向かっていくかを、自身の経験に則して書かれています。
まず驚いたのが、今まで知るような石原氏特有の竹を割ったような、もしくは半ば強引な印象はほとんど見受けられないということ。まるでいきなり印象派路線に乗り換えたかのような柔らかな文章。これも一つの『老い』による意識の変化なのでしょうか?(←失礼)
この本では、石原氏の経験談は勿論のこと、氏がこれまでに読んだと思われる数多くの書物の、数多くの名言が残っています。そのほとんどに目を見張り、なるほどと共感してしまいました。題名からして、徐々に自分の『老い』が顕著に現れてくる人に対する方々が対象でしょうけれど、名言の数々が「若いうちの『老い』に対する恐れ」から来るものがあったので、若年層が読んでも何となくでも分かるような気がすると思います。
誰でも来るのだから覚悟と準備をしておくことが必要だ、とあっても、やはり潜在的には誰もが恐ろしいと感じる。自分の身体が思うように動かない、自分の頭が思うように働かない。今まで誰かに対して優位な立場に立っていたのが、今度は自分が見下ろされる立場になる。
それでも、老いた時分でも精力的に活動している人もいる。石原氏もその一人というべきかもしれません。それは己を知っているから。己が今どういう立ち位置で、どれだけの体力・能力を備えていて、どれだけのさじ加減で行動すればいいかを知っているから。氏が過去に痛い思いを沢山してきたからかもしれませんが。
個人的には、やはり健康に関するトピックスに目を見張ってしまいました。正に目から鱗ネタで。実はいくつか実践してみたり。
登録日 : 2008年08月31日 17:56:16


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