レビュー by czekoladkanakoさん
1960年代後半から1970年代にかけてのアメリカで、若者だったMSフォッグの物語。
新潮文庫で443ページという、結構長い話だが、物語は大きく3つにわかれ、それぞれ「生活の意図的な退廃(と彼女との出会い)」「奇妙な老人との生活」「超デブの地方大学教授との交流」が物語られる。
どの部分もドラマチックで、かといってうそ臭くは感じられず、とても面白く最後まで読めます。わたしは、特に老人との交流の中で、住んでいる街を細かに描写するところ、描写しようと主人公が葛藤し、こつをつかんでいくくだりが印象的でした。あんな風に自分の周りをみて、それを近くにいる人と共有する訓練ができたのは幸せなことであるな、と。
もうひとつ印象的だったのは、こちらはマイナスの方なんだけれども、キティの決断。彼女の言い分は分からなくはないけれど、主人公と同じく受け入れることはできない。時代が今だったら違う結果になっていたのだろうか。
レビュー登録日 : 2012年01月03日
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