中学生の頃から新井素子ファンで、新刊出るたび片っ端から買って発刊順に本棚に並べるほど。
嫁に行くときその他の大量の本はほとんど古本屋に処分したものの、彼女の本だけは手放せずにごっそり段ボールに詰めて一緒に嫁入り。
そんな私でしたが、久し振りに彼女の本を手にとって、読み始めたときの第一印象は・・・
正直、くどい。
相変わらずの一人称喋り言葉。これこそが新井節で、中学生や高校生だった頃の私は、このまどろっこしくて回りくどい文体、そして(主人公が10代~20代の女の子だということを考えればあまりにも不似合いな)あまりに日常的でない難解な言語の数々、が大好きだったんだけども・・・。
どんどん買って読んでた頃からすればそこから多分10年以上は経って、いい加減いい大人になって他にもいろんなジャンル・いろんな作家の本を読むようになった私には、正直本当に文章がくどくて、何度も何度も同じ言葉を繰り返す、同じ意味のセリフを言い方を変えて何度も繰り返す、その『新井節』が、
本当に面倒臭く感じてしまったんです。。。
(ファンだと豪語してたのに、そんなことを思ってしまう自分にちょっと自己嫌悪)
でも最後の最後で結構衝撃的などんでん返しがあったのは、ちょっと嬉しかったかも。
『おしまいの日』みたいな精神的におかしくなる物語とか、家族関係がこじれてくるような現実的な話だとばかり思い込んで読んでたから、最後に
「ああ、素子さんってそういえばSF作家だった」
って思い出させてくれるような驚き。
解説にもあったけど「そう来たか」というのは私も思ったこと。読後の感想としては、面白かったって印象が残りました。
ただ、前半があまりにもくどく迷走しながらゆっくりゆっくり話が進んだのに対して、後半に木塚くんが登場してからの理路整然ぶりと言ったら、1冊の物語の中にあってちょっとバランス悪いんじゃないのという感は否めないかな。
- 感想投稿日 : 2014年4月14日
- 読了日 : 2014年4月11日
- 本棚登録日 : 2014年4月13日
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