『チーム』『ヒート』に続く長距離ランナーの物語。
なぜタイトルが「2」なのかは三冊とも読めば分かる。
『ヒート』にも主要人物が出ているけど、ちょっと毛色が異なるからね。
さて、本作は日本最高ランナーとして君臨する山城が生まれて初めての
故障に悩まされ、二年もレースに出場できていないところから始まる。
故障をかばうことで別の故障を生み、ブランクができることで筋力も
体力も試合勘も失っていく。
そんな悪循環に陥っていた山城がようやく復活できそうになった時、
誰の助けも受けず、誰かのためではなく自分のためにしか走らない
山城の元に手を差し伸べてくる人達が現れる。
それは『チーム』で一緒に箱根駅伝を学連選抜で走った仲間たちだった。
『チーム』主人公の浦をはじめてとして、当時のメンバーはすでに職に就き、
それぞれの人生を歩んでいたのだが、山城の苦境を知り、「チーム山城」を
結成し、彼の復活を後押ししようとするのだが・・・
といった物語。マラソンもしくは駅伝の話でありながら、各登場人物の
内面がとても繊細に、時に読むのが辛いほど痛々しく描かれており、
それが物語を引き立てている。
『チーム』も好きだったけど、本作も同等かそれ以上に好きだな。
(『ヒート』は個人的にはイマイチでした)
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
た行
- 感想投稿日 : 2016年8月24日
- 読了日 : 2016年8月24日
- 本棚登録日 : 2016年8月24日
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