最も大事なもの、
「今の自分の気持ち、この自分の気持ちを大切にする」
と言うのは、重要なキーワードです。

たとえばルネサンス以前、
聖書といえばラテン語の筆写本でした。

そのため、聖書は大変な貴重品で、
読める人間も聖職者に限られていました。

だから当時の人々は、
教会や聖職者をすごく尊敬していました。

荘厳な教会の大伽藍、
反響する聖歌隊の歌声、そして
分厚くて読むことのできない聖書。

中世の人々が、いかに教会に
畏怖を感じていたか、本当に
実感はできませんが、何となく
分かるような気はします。

しかし、グーテンベルクが
活版印刷を発明したおかげで、
だれでも家庭で聖書が読めるように
なってしまいました。

あの無限の謎をたたえた書物を、
買って読むことができるのです。

すると、教会での説話と聖書の矛盾に
気がつく人も出てきます。

イエス=キリストは荘厳な教会を
建てて自分の像に祈れ、
なんて一言も言っていないじゃないか!
その結果、人々が教会に対して
感じる尊敬、権威は
どうしようもなく衰退してしまいました。

その価値観の変化は人々を、
中世の「疑問を持つな。ただ祈れ」
という価値観から解放し、
ルネサンスをさらに加速させ、
産業革命の足がかりとなったのです。

人々の価値観が変わると、
社会のシステムもすべて、
大きく変わってしまいます。

技術の進歩は人々の価値観を変え、
社会システムをも変化させたのです。

技術や科学が変化すれば、
それにつれて社会の価値観も変わる、
と言ったのはこういう意味です。

「いいもの」「安いもの」が
たくさん売れる時代ではないことは、
日本のサラリーマンも
実感していたからなおさらで、
『知価革命』はべストセラーになりました。

堺屋は、その中で次のように
トフラーを批判しました。

「「第三の波』のすべてが変化する、
という前提は社会構成員の価値観が
変化する、ということである。
その変化する価値観を
具体的に述べない予測は不十分だ」

では、堺屋が『知価革命』の中で
述べている価値観の変化とは
どんなものでしょうか?

堺屋はいかなる時代、いかなる社会にも、
社会の共通概念である基本価値観がある、としました。

その価値観を次のように定義しています。

豊かなものをたくさん使うことは
格好よく、
不足しているものを
大切にすることは美しい
と感じる、人間のやさしい情知」

堺屋はこの “根源的な"法則を、
『知価革命』の中で
何度も主張しています。

これを使って過去から
現在における変革をとらえ直し、
未来を予測しているのです。

これは歴史をとらえ直す上でも、
未来を予測する上でも
とても参考になる法則です。

つまりその時代のパラダイム
(社会通念)は、「その時代は何が
豊富で、何が貴重な資源であるのか」
を見れば明らかになるということです
ということは、それまで豊富だった
ものが急に不足したり、 
貴重だったものが急激に
豊富になったり、
といった変化があるとき、
それに対応して価値観が変化し、
その価値観の変化によって社会は
変化する、ともいえるわけです。


真面目な話、実際に未来を
予測しようとする際に、最も
大事なのは「今の時代と未来では
どんな価値観の違いがあるか」 という
ことをはっきりと見極めることです。 

こういった「社会を構成している
基本的価値観」を「パラダイム」
と呼びます(「パラダイム」という概念
の提唱者T・S・クーン自身はその著書
『科学革命の構造」 で「パラダイム
シフトが存在するのは自然科学の
分野のみに限られる」と言っています。
しかし現在では社会学の用語として
使われることが多いようです)

たとえば、私たちは「自然現象には
すべ...

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2023年6月28日

読書状況 読み終わった [2023年6月28日]


利益の源泉は、格差である。

実のところ、ヘッジファンドが
享受してきたあまりに高い利益の
源泉は、世界に存在するありと
あらゆる種類の「格差」である。

規制格差、為替格差(実体経済と為替と
の乖離を含む)、価格差、税率格差、
そしてなによりも貧富の格差。

すなわち人びとの生活の
格差なのであり、およそ国と国を
隔てる「格差」あるところ、
その間隙を衝いてマネーの
利益チャンスは無限に広がっていく。 

それらの格差を生みだすものは 
それぞれの国を隔てる経済的発展段階の相違に
由来する格差にほかならず、
「格差が格差を生む」構造こそが
「利が利を生む」マネーの運動を可能にし、 
高度の利益の源泉として
マネーを支えていることがわかる。


金とドルの交換停止いわゆる
ニクソンショック以来、
お金の価値が、実体のない景気や
次々とつくられる市場創出によって
揺れ動くマネーゲームが続いています。

実体経済とは無縁な膨大な
投機マネーが瞬時に世界を駆けめぐっています。

一方で「虚のお金」ではなく、
自然や人の営みや、他人を思いやる
心などを支える「実のお金」を
切実に希求する人も増えています。

「成長を前提にし、成長を強制する
性格をもつ現行の金融システムが、
この競争社会を生みだしている
根本原因だ」というエンデの言葉について、
改めて考えさせられます。

世界はそれと気づかないまま、
灰色の男たち(『モモ』)に
支配されているのです。

しかし、現在の金融システムが
唯一絶対のものではありません。
別のお金への模索も始まっています。

自分のコミュニティを育てあげ、
サステイナブル(持続可能)な社会を
維持するための水=お金と考える
思想が練りあげられているのです。

交換リング、地域通貨、
ソーシャルバンクなど試みの
ありようは多様です。

地域も欧米、オセアニア、アジアなど
地球規模に広がっています。

エンデは「現代の金融システムは
たかだか数百年で人がつくった
システムだから、その限界や
不合理に気づけば変えることもできる」と
希望を語っています。

僕は個人的には、お金を「時間」と
交換するものと考えています。

美味しいものを食べること、
家族を一緒に過ごす時間、
旅をする時間、
それを交換することができる
お金は素晴らしいものと思っています。

2023年6月27日

ネタバレ
  • 民主主義には短所がある。

    現在のシステムの不備に気づいても、
    すぐに改善できない。

    エンデの遺言は非常に重い。
    「米百俵の精神」を皆が持てるわけではない。

    近視眼的な利に、理性が負けることがある。



    エンデは、金融システムは
    人間がつくりだしたものだから、
    変革もできるはずであり、
    同時に過去のさまざまな試みのなかに
    未来へのヒントがある、と主張しています。

    講話は佳境に入り、エンデは
    一人の思想家シルビオ・ゲゼルの名前をあげました。

    彼の思想は、お金もあらゆる
    自然界の存在と同じように、
    年をとり最後は消えていくべきである、
    というものです。

    一見、珍説のように見えますが、
    この理論は実践されて
    大きな成果をあげたといいます。

    その貨幣制度を変えようとした
    具体的な過去の取り組みについて
    調べていくうちに、新古典派経済学に
    対抗した経済学者ケインズが、
    ゲゼルを評価していることを知りました。  

    ケインズの『一般理論』
    (つまり『雇用・利子および貨幣の一般理論』1936年)に、
    「シルビオ・ゲゼルは不当にも誤解されている。
    われわれは将来の人々がマルクスの思想よりは
    ゲゼルの思想からいっそう多くのものを
    学ぶだろうと考えている」という記述があったのです。

    「第一次世界大戦後、レーテ共和国時代の
    バイエルンにシルビオ・ゲゼルという人物がいて、
    ゲゼルは『お金は老化しなければならない』
    というテーゼを述べています。

    ゲゼルは、お金で買ったものは、
    ジャガイモにせよ靴にせよ消費されます。

    ジャガイモは食べられ靴は履きつぶされます。
    しかし、その購入に使ったお金はなくなりません。

    そこでは、モノとしてのお金と消費物資との間で
    不当競争が行われている、とゲゼルはいいます。

    お金自体はモノですね。
    売買されるのですから。

    しかし、お金は減ったり
    滅することがないものなのです。

    一方、本来の意味でのモノは
    経済プロセスのなかで消費され、なくなります。

    そこでゲゼルは、お金も経済プロセスの
    終わりにはなくなるべきであるといいます。

    ちょうど血液が骨髄でつくられ、循環して、
    その役目を果たしたあとに老化して
    排泄されるように。

    お金とは経済という、
    いわば有機的組織を
    循環する血液のようなものです。

    このゲゼルの理論を実践し、
    成功した例があります。

    1929年の世界大恐慌後の
    オーストリアのヴェルグルという町での話です。

    町は負債を抱え、失業者も多い状態でした。

    そこでヴフェルグルの町長だった
    ウンターグッゲンベルガーは現行の貨幣のほかに、
    老化するお金のシステムを導入したのです。

    このシステムは簡単にいえば、
    1ヵ月ごとに1%ずつ価値が
    減少するというものでした。

    町民は毎月1%分のスタンプを買って
    老化するお金に貼らなくてはならないという
    仕組みでした。

    このお金はもっていても増えないばかりか、
    減るので、皆がそれをすぐに使いました。

    つまり貯めることなく
    経済の輪のなかに戻したのです。

    お金は持ち主を変えれば変えるほど、
    購買力は大きくなるのです。

    1日に2度、持ち主を変えるマルクは、
    1日に1度しか持ち主を変えないマルクより
    購買力が大きいのです。

    2年後には失業者の姿が消えたといいます。

    お金を借りても利子を払う必要がないので、
    皆がお金を借りて仕事を始めたのです。

    町の負債もなくなりましたが、
    オーストリア国家が介入し、
    このお金は禁止されました。

    この話はシルビオ・ゲゼル信奉者から
    よく例に引かれ、
    いまあるお金のシステムのなかで、
    二次的に導入できる証拠として
    よく論じられています。

    このお金は時間とともに目減りするので、
    誰も受け取らないだろうと最初は思われましたが、
    皆が喜んで受け取りました」


    まもなく参議院選挙。

    民主主義の弱点が、その死に票の多さと、
    果たして、結果が最適の未来を作ると
    繋がらないことだ。

    ただ、いつか『17歳の帝国』のような
    AIと人間のコラボで、より良い未来を
    作ることができないのだろうか?

    再読了日:2022年6月27日

読書状況 読み終わった [2023年6月27日]

この本、なかなか面白い。

こちらは、神話の中に出てくる
「トリックスター」に対する言及から、
笑いについて考察している。


笑いの第一の意味は、
正常な人間たちがおかれている状況の外に出される
(=出るという過程を示す)社会的合図である。

この場合、みずからの意志に反して
社会の外に出された者は、「笑われる客体」となる。

しかし、みずからの意志によって
社会の外へ出た者は、逆に「笑う主体」となる。

そのとき、彼から笑われるのは人間の社会、
つまり「状況に拘束された人間たち」である。



ヒトは、有縁、無縁の狭間で、
自由かつ不自由に生きている。

トリックスターは、その狭間を
既成概念にとらわれないというより、
善悪に分かれる前の、いわば、
躾けられる前の子どものような感覚で、
物事にあたるが故に、
「受け入れられたり」「はじかれたり」するのだ。

しかし、「はじいた」と思った
トリックスターから、「嗤われている」。

その偏狭さを。

 
中世の民衆社会は、大別すると、
農耕民の世界と非農耕民の世界に
分かれます。

農民が一定の土地に定住する習慣が
本格的になったのは、鎌倉時代から
室町時代にかけてのことです
(全国の農村の2/3は室町時代に
起源がある、といわれています)。

農民の世界は季節の変化による
一定の労働の秩序があり、また
地頭とか目代といった在地の権力者に
支配されています。

それはいわゆる
「有縁」「有主」の世界です。

この世界では「まめ」つまり
まじめに日々はたらくことが美徳とされますから、
ものぐさ太郎のような反秩序性をもった
人間は排除されなくてはなりません。

これに対して非農耕民というのは、
漁民・山の民・小商工業者・運送業・芸能民・
寺社に使われる聖・御師・寺人・神人などです。

中世では、彼らの多くは一定の土地に定住せず、
各地を往来して商売をする習慣だったのです。

彼らは「無縁」の民、つまり
特定の領主に仕えない人たちです。

在地の農民にとって、彼らはよそ者であり、
共同体の秩序の外におかれていました。

非農耕民のあつかう産物やサービスは、
都市に多くの需要があり、
また彼らは京の周辺にある有名な寺社から
許可状をもらって一種のギルドを形成し、
各地を往来しました。

中世には各地に多数の関所があって、
定住農民の旅行はきびしく
制限されていましたが、
非農耕民たちは自由通行の許可を
得ていたのです。

彼らは京と田舎を結び、
各地の民衆に情報を伝える
情報網の役を果たしていました。

中世の仏教各派の中で、
こういう「無縁」の世界を最もよく代表した宗派として、一遍上人の創始した時宗教団があげられます。

時宗教団の僧は一所不住を方針とし、
各地をめぐり歩いて念仏を普及する習慣でした。

彼らは時衆とよばれ、一般の僧侶よりは
格が低い存在とされていたのですが、
それは、彼らが芸能とか、戦死者の弔いや
死者の供養、時には権力者の命令をうけて
各地の情報をさぐるスパイの役など、
人びとから特殊視され軽蔑されていた職業
〜つまり「まめ」でない仕事〜に従っていたためです。

定住農民の世界からみると、
無縁の民の世界は、神仏の世界に
近いものにみえていました。

彼らは京周辺の有名な寺社と関係があり、
田舎にはみられない文化の香りを漂わせていたからです。

そういう「みやび」の香りの頂点に
「みかど」のイメージがあったわけです。

有名寺社は何らかの形で、心理的にも
経済的にも宮廷の権威と結びついていたからです。

そこで、定住農民の心理に即してみますと、
無縁の世界は、軽蔑 (差別)と畏怖という
両義的な感情の対象になります。

芸能者とか乞食僧などは
その最もよい例です。

「み...

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2023年6月21日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2023年6月21日]

著者のフロムは、
「愛は技術」だと考える。

そう聞くと、たいてい、
「愛される」技術と考える。

しかし、そうではない。
「愛する」という技術と考える。



ふむべき第1の段階は、
生きることが技術であるのと
まったく同じように、
愛が技術であることを知ることである。

もしわれわれがいかに愛するかを
学ぼうと思うならば、
音楽や絵画や建築の技術治療
あるいは工学の技術のような
他の技術を学ぼうと思う時に、
われわれがまずしなければならないのと
同じような仕方で
学びはじめなければならないのである。

いかなる技術の学習にとっても
必須の段階とはなんであろうか。

技術を学ぶ過程は、
便宜的には、2つの部分に分けられる。

すなわち、1つは理論に習熟することであり、
1つは実践の習熟である。

もしも私が治療の技術を
身につけようとのぞむときは、 
まず第一に人間の体について、
また、いろいろの病気についての
事実を知らなければならない。

しかし、あらゆる理論的な知識を持ったとしても、
私の治療の技術が完成されたということには
けっしてならない。

治療の技術では、
理論的知識の結果と
私の実践の結果とが、
最後に一つに融合するまで、
非常に多くの訓練をへて
はじめて達人になることができるのである。

この融合はわたくしの直観によれば、
あらゆる技術の習熟の本質をなすものである。   

しかし理論と実践の訓練のほかに、
さらにどの技術においても、
名人となるために必要な第3の要素がある。

その技術に習熟することが
究極の関心事となっていなければならない
ということである。

そこではこの世の中に、
その技術よりも重要なものが
あってはならないのである。

これは音楽にも、治療にも、建築にも
そして愛にも適用される。  

おそらくここにこそ、
われわれの文化の中に生きている人びとが、
明らかに失敗しているにもかかわらず、
なぜこの愛の技術を
ほとんど学ぼうとしないかという
疑問の答があるのである。

愛に対する深く根ざした熱望にもかかわらず、
ほとんどすべてのものが愛よりも
重要であると考えられているのである。

すなわち、われわれのあらゆるエネルギーは、
成功、威信、金、力というような目標を
いかにして入手するかを学ぶために用いられ、
愛する技術を学ぶためには
少しも用いられていないのである。

ただ、金銭あるいは威信をあがなうことに
役だつもののみが、学ぶに価するものであると
考えられるならば、ただ精神の役には立つが、
近代の感覚でいう 利益にはならない愛は、
われわれがそれをうるために多くの力を費す
意義を持たない贅沢となるのだろうか。



で、逆説的に考えると、
「愛する」なんて考えない方が
幸せかもしれません。

だって、「愛する」ことで、
満たされている人は、あえて、
そんなことは考えないでしょうから。



愛とは、 孤独な人間が
孤独を癒そうとする営みであり、
愛こそが現実の社会生活の中で、
より幸福に生きるための
最高の手段であり、技術である、
とフロムはいう。

しかるにわれわれ現代人は、
愛に渇えつつも現実には、
そのエネルギーの大半を、成功、
威信、金、権力というような目標を
いかにして手に入れるかに費やし、
愛する技術を学ぼう
とはしないのである。

人間砂漠といわれる現代にあり、
《愛》こそが、われわれに最も
貴重なオアシスであり
その理論と実践の習得をすすめた。

愛が技術?と思った人には、
一度、手に取って読んでもらいたい。

2022年6月22日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2022年6月22日]

小松左京曰く
「文明の生態史観」は、
戦後提出された最も重要な
「世界史モデル」の一つと見る。

それは、これまで東と西、
アジア対ヨーロッパという、
慣習的な座標軸の中に捉えられてきた
世界史に革命的といっていいほどの
新しい視野をもたらした。  

この視野によって複雑に対立し、
からみ合う世界の各地域の文明が、
はじめてその「生きた現実」の
多様性を保ったまま、
統一的に整理される手がかりが
与えられたといっていい。

歴史家トインビーも、また、
梅棹忠夫に注目していた。


ここで素材の系譜論にかえろう。

日本が高度の近代文明を
建設しえたということは、
だれでもしっている。

なにを事あたらしく、
という感じもあろう。

しかし、それを日本の近代化の
結果であり、西欧化の結果であると
かんがえるならば、問題がある。

日本は文明国になったというけれど、
みんな西欧のまねじゃないか、
というのが、近代化の過程をとおって
くるあいだじゅう、日本のインテリの
自尊心をなやませつづけた呪文だった。

この呪文は、いまでも効力がある。

しかし、こういう素朴な血統論は、
あまり深刻にかんがえる必要はないようだ。

全体の生活様式は、ちゃんと
日本むきのパターンにつくられていて、
かならずしも西欧化しているとはいえない。

わたしは、明治維新以来の日本の
近代文明と、西欧近代文明との 
関係を、一種の平行進化とみている。

はじめのうちは、日本は
たちおくれたのだから仕かたがない。

そうとう大量の西欧的要素を 
日本にもってきて、
だいたいのデザインをくみたてた。

あとは運転がはじまる。

ただ西欧から、ものを
かってくればよい、というの 
ではなかったはずだ。

あたらしい要素の出現のたびに、
全体のシステムは修正され、
成長をつづけてきた。

あたらしい要素は、
西欧からもちこまれる場合もあり、
内部でくふうされた場合もあった。

西欧だっておなじことだ。

はじめから自動車があり、
テレビがあったわけではない。

そういうあたらしい要素が
出現するたびに、西欧流に、
やはりふるいシステムを修正しながら
成長をつづけてきた。

あたらしい要素は、西ヨーロッパの
どこかの国に出現する場合もあり、
新大陸からもちこまれる場合もあり、
また、テレビのアンテナの例のように、 
はるかにとおい極東の第一地域、
日本からあらわれる場合もあった。 

とにかく、日本はかならずしも
西欧化を目ざしていたのではない。  
いまでもそうではない。

日本には日本の課題があった。 

ただ、西ヨーロッパ諸国と日本とは、 
いろいろな点でたいへん条件が 
にていたために、平行的な道をあゆんで
しまったとみるのである。

その途中で、どちらに由来する 
要素がよりおおいかという系譜論は、
じつはあまりたいした 
問題ではないようにおもう。


梅棹忠夫は、ともかく
視野のスケールが大きな人物だった。

彼は歴史観を提示しただけではない。

他にも、自分が生きた時代に
その鋭い洞察で世界を唸らせていた。

この続きは、どこかで話そうと思う。

2021年6月23日

  • 梅棹は、ユーラシア大陸を「旧大陸」とし
    その横長丸の両端を「第一地域」、
    その中の部分を「第ニ地域」とした。


    第一地域の、
    現代における経済上の体制は、
    いうまでもなく高度資本主義である。

    その国ぐにでは、ブルジョワが
    実質的な支配権をにぎっている。 

    そしてその体制は、
    みんな「革命」によって獲得された。

    革命によってブルジョワが
    実質的な支配権をえた、ということは、
    それらの第一地域の国ぐにでは、
    ブルジョワの力が、すでにそうとうおおきかった、
    ということだ。

    革命以前、すでにそういう階級が、
    これらの国ぐにでは成長していた。

    革命以前はどういう体制か。

    いうまでもなく、封建体制である。

    封建体制が、ブルジョワを養成した。

    ここで、第一地域の歴史において、
    たいへんいちじるしい共通点をみいだす。

    つまり第一地域というのは、
    封建体制のあった地域なのだ。

    第二地域は、それの裏がえしになる。

    第二地域では、資本主義体制は未成熟である。

    すくなくともいままで、
    高度資本主義国になった例はひとつもない。

    そこでは、革命によってもたらされるものは、
    おおむね独裁者体制である。

    そして、革命以前の体制は、封建制ではなくて、
    主として専制君主制か、植民地体制である。

    専制君主や植民地体制の支配のもとでは、
    ブルジョワは発育不良である。

    第一地域・第二地域の区分が、
    革命以前の体制として、
    封建制をもっていたかどうかと
    ふかい関係があるということは、
    たいへん興味ぶかいことである。


    いまのウクライナと照らし合わせてみる。

    ウクライナは、「第二地域」にあって、
    ロシアの影響を強く受けた地域だ。

    その後、「マイダン革命」を経て、
    「第一地域」に境界線を書き換えようとした。

    ロシアはそれを許さず、クリミア半島を併合し、
    現在もなお、侵略を続けている。

    「境界線」は動くのか?
    梅棹が現代に生きていたら、
    なんと見るか、興味深い。

    再読了日:2022年6月23日

読書状況 読み終わった [2021年6月23日]
カテゴリ 社会

ユング研究所から日本人としては、
はじめてユング派の分析家の資格を
得てきた著者が、京大文学部での講義をもとにまとめた、
日本で、はじめての本格的な
ユング心理学入門である。

カール・ユングの分析心理学は、
フロイトの精神分析とならんで、
あるいはそれ以上に、欧米では 
高く評価され、その影響は心理学や
精神医学の領域をこえて、ひろく
教育や宗教・芸術の分野にまでおよんでいる。

スイスの精神医学者ユングの名前は、 
フロイトやアドラーとともに
精神分析の発展につくした人として、
わが国でもよく知られている。

そして、ユングによって
初めて用いられた「コンプレックス」、
「内向ー外向」などの用語も
広く一般に知れわたっている。

ところが、実際に、彼の心理学の内容については、
案外に知らないひとが多いように思われる。

ユングの心理学は
一般の実験心理学とおもむきを
異にするものであるが、日本人として、
西洋で生まれたユングの心理学を
学びながら、著者が感じたり、
考えたりしたことを、
試論のかたちで述べたものである。

東洋と西洋という大きい問題を、
短いスペースのなかで論じるのは
まったく無謀なことではあるが、
これが少しでも読者の方の考え、
あえて、発展させる素材となれば
幸いと思って、とりあげた次第である。



心理療法家の役割

まず始めに、この分析心理学は、
それも心理学と名づけることに
反対するひとがあるかもしれないが、
心理療法と密接な関連をもって
いることを強調しておきたい。

ただ、これは理論の精密さや明確さを
誇りとするよりは、実際場面に
役立つことを第一と考える心理学を
探し求めようとする試みである。



心理療法を受けに来たひとが、
まず話し出すことは、
その症状および、その悩みである。

この訴えが一通り終わった頃、
必ずといってよいほどいわれることは、
「先生、どうしたらよいでしょうか。」
という問いであり、これに対して、
治療者が沈黙を守るーというよりは、
何も言えないで、いるというほうが、
より適切であろうがーと、
次に、「いったい、なぜこんなことに
なったのでしょう」との
質問が続くことが多い。

これは、自分の悩みには原因がある、
原因がわかれば、それを取り去り、
したがって結果としての悩みも
除くことができるという、
まことに単純明快な推論によって
引き出された考えである。

だからこそ、「偉い先生」や
「心理学の専門家」に 
悩みを打ち明け、なぜそうなったのかを
教えてもらうことによって、
ただちに問題が解決することを
期待して、カウンセリングを受けに
来る人も多いわけである。

この単純明快な考え方が、どれほど
心理療法の実用性に役立つかという点は
ともかくとして、このように、
治療場面においてしばしば発せられる

「なぜ?」

という疑問について、
しばらく考えてみたい。

結婚式を目前にして、
最愛のひとが交通事故で
死んでしまったひとがある。

このひとは「なぜ」
と尋ねるに違いない。

「なぜ、あのひとは
死んでいったのか。」

これに対して、
「頭部外傷により…云々」
と医者は答えるであろう。

この答えは間違えていない。

間違えてはいないが、
このひとを満足させはしない。

なぜ、この正しい答えが、
このひとを満足させないのか。

それは、この「なぜ」(Why) という
問いを「いかに」(How) の問いに
変えて答えを出したからである。

医者はHow did he die?
(どのように死んだのか)に
ついて述べたのである。

ここに、私は、ヘルムホルツの有名な言葉、
「物理学は Why の学問ではなく、
How の学問である」を思い出す。

雨はなぜふるのか、
風...

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2020年6月20日

読書状況 読み終わった [2020年6月20日]

【今日の一冊19
『第三の道-効率と公正の新たな同盟』】

今日は、「大雪」ですね。

政治的な課題は、雪のように、
降り積もり、いつの間にか、
大きな問題になっていく。
……

新自由主義は小さな政府を望ましいとし、
社会民主主義者は、少なくとも従来は、
大きな政府を志向してきた。
政府の再構築を目指すのが、
「第3の道」である。

「政府を敵」とする右派、
「政府が答え」とする左派の
双方を乗り越えようとする。
……
第3の道≒新しい社会民主主義
政治的には、「やや左」と読める。

ただ、こんな単純な二分法で分けられるのか?

いくつかの課題で、左右の主張と、
個人的な意見は相容れない。
単純な区分で言えば、「ねじれる」。

それにより、政治が「停滞」する。
「停滞」も、見方によっては、
物事を「慎重」にとらえた
試みと言えるかもしれない。

グローバリゼーションにより、
世界の経済はより密接になってきた。

個人は何を大事に生活をするのか?
社会は何を大事に政治を行うのか?

「第3の道」は、20世紀の終わりに、
時代の要請に応えるべく、
新しいコンセプトとして出てきた。

・グローバリゼーション
・個人生活の変貌
・自然と人間との関わり

等々、私たちが直面する大きな
変化の中で、市民一人ひとりが、
自ら道を切り開いてゆく営みを
支援することを目指す。

自由貿易は、経済発展の原動力となり得る。
しかし、市場の力は、社会と文化を
破壊しかねないから、自由貿易がもたらす
様々な帰結に対する監視を怠ってはならない。

平等と個人の自由は食い違いをきたしがちだが、
平等主義的な措置が、個人の自由の範囲を
拡大することもままあり得る。

第3の道の政治には、個人と共同体の関係を
再構築し、権利と義務のあり方を
見直すことが求められている。

……

「雪」はいつか溶ける。
政治的課題も、いずれ溶ける。

ただ、その政治的課題が
溶けてなくなるまでの
間にも、人間が死んでゆく。

それをどう解決するか?

コンセプトは大事だ。
でも、それで動かせなければ、
意味はない。

……

本書が書かれた時期よりも、
国家という形を持たない集団が、
テロを行い、その恐怖が世界を覆う。

社会をどう安定、活性化させるか?
富の再分配するか?
一人ひとりが、より良く生きるとは、
どういうことか?

単純な答えなどはない。

ドラッカーの言葉を借りるなら、
「石臼に鼻を押しつけながら
丘の上を見なければならない」
ということなのだろうか。

・今日のために明日犠牲になるもの。
・明日のために今日犠牲になるもの。
これらを時間軸を見ながら、
その犠牲を最小限にとどめる。

「第3の道」は、
「権利には必ず責任が伴う」
「民主主義なくして権威なし」として、
新しい「平等」づくりをせまる。

今年は、参議院議員選挙もある。
一市民として、何ができるか、
どうあるべきか、を考えながら、
投票にのぞもうと思う。

……
#viewpoint
#communication
#resource
#アンソニー・ギデンズ
#佐和隆光
#松村さんにご紹介いただきました

2016年1月18日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2016年1月18日]

【今日の一冊12『JTのM&A』

それぞれの置かれた状況により、
本を得られる学びが違う。

ましてや、2.25兆円買収に
携わる人はどのくらいいるのか…

最初はそう思いつつ、手に取った。
…………

専売公社から1985年民営化されたJT。

プラザ合意で一気に2倍になった円高。
さらに関税率0→海外品低価格で攻勢。
大変な逆風下にあった。

JTは、1988年に将来の需要予測した。
・20〜60歳の人口
・1人あたりの名目GDP
この2つが、重要なパラメータと判明。

たばこ総売上本数の天井が、
10年後の1998年頃にあると予測。

海外に出るしかない。

しかし、先進国では
たばこの広告、販売促進に規制。
ブランドなし、0からの参入は困難…。

海外展開するにしても、人材不足。

そのため、
⑴時間を買う
⑵究極の経験者採用
として、M&Aに取り組んだ。

買収を繰り広げる前の
2001年、2003年には、
国内で合理化策に、着手。
結果、2006年2.25兆円買収を支える。
さらに買収後の2014年も合理化続く。

・有事は集中
・不断の改善
・研修制度の充実
・diversity(多様性)
・経営の見える化(透明性の確保)

などなど、至極まっとうなことが、
書かれている。
……

村上さんの主催する勉強会で、
著者の新貝さんと
お話しする機会を頂いた。

「CFOの心技体とは何でしょうか?」

「心は、オーナーシップ。
技は、リテラシー。
体は、まさに体力ですね。」

お答えは、シンプルだった。


天下の難事を達成せんとする者は、
易き事をもって始めよ。
地上の大事を成就せんと欲する者は、
小事より始めよ。
これによって聖人は、
ついに大をなさんと思わぬゆえに、
よくその大をなす。


そう、何か老子の言葉に通じる。

「当たり前のことを
極めて高いレベルでやっている」

今回、改めて読み直して見て、
そんな風に思いました。


#resource
#communication
#viewpoint
#JTのM&A
#老子
#新貝康司

2016年1月10日

読書状況 読み終わった [2016年1月10日]

【今日の一冊10
『ボクの妻と結婚してください。』

余命6カ月。
死を前に思うのは、最愛の家族。

みんなを笑顔にしたくて、
22年間バラエティ番組を
作ってきた放送作家、45歳。

妻と息子にも、
ずっと笑顔でいてほしい。

人生最後の企画を考え抜き、決めた。
妻に、最高の結婚相手を遺そうー。

「妻になんて言おう」
「妻のための企画を思いつく」
「妻の代わりに婚活しよう」
「妻に相応しい相手とは」
「妻のお見合い相手が見つかった」
「妻と別れよう」
「僕の妻と結婚してください」

この主人公の心の流れを
追うだけで、胸がつぶれる思いだ。

僕の友人も、若くして、
妻と子を遺し、亡くなった。

彼は、最後まで、生きようとした。
彼には彼の選択があり、
彼の行動にこっちが勇気づけられた。
http://s.ameblo.jp/battling-cancer/entry-11458191322.html

逝くにも、残されるにも、
準備がいる。

がんばらなきゃと、
思い出せる一冊でした。
……
#communication
#resource
#viewpoint
#死ぬ準備
#生きる気構え
#ボクの妻と結婚してください
#ゼロ
#樋口卓治

2016年1月8日

読書状況 読み終わった [2016年1月8日]

【今日の一冊6
『不動産の知識があれば
相続税は取り戻せます!』】

相続税は取り戻せる。

なぜか?

①相続税還付に法的根拠があるから。
→国税通則法(第23条、第70条)
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S37/S37HO066.html

②税理士数に比べ、相続件数が
少なく不慣れなケースが多いから。

平成26年 税理士登録数 74,501人
平成25年 相続税課税件数 54,421件

単純計算で、1人の税理士が年間
処理件数が0.7件。1件に満たない。

③税理士は不動産のプロではないから。

国税庁が定めた「財産評価基本通達」に
基づいて時価評価するも、
普段から財産評価をしていないと、
土地評価で差がつく。

還付成功率は驚きの70%!

元々つきあいのある税理士に、
相続を依頼した方は、
一度、チェックしたほうが
いいかもしれません。

http://saikantei.info/faq/

#resource
#viewpoint
#communication

2016年1月4日

読書状況 読み終わった [2016年1月4日]
カテゴリ ビジネス

【今日の一冊4『ボールのようなことば。』】

糸井重里さんの詩というか、
エッセイというか、
訓話というか、うーむ、
なんといっていいのか…

ボールのようなことば、なのです。(笑)



「まずは、ボールだ」

あなたが、サッカーをしたいのなら、
まず、何を手に入れますか?

ボールでしょう。

いや、別にシューズでも
かまわないんですけどね。
ともだちを手に入れます、
という答えでもいい。

野球をしようと言うような時でも、
同じですよね。
ボールがなきゃ始まらない。
いや、別にクラブやら、
バットやらでもいいですけどね。

だけど、ついつい、
うっかりしてると、ルールブックを
先に手に入れようとしちゃったりするものです。

たしかに、ルールは最大の見えない道具です。
ルールは、ゲームのしくみそのものです。

でも、ぜんぶを
暗記したからといって、
なにもはじまらないんです。

ボールを投げるとか、
ボールを蹴るとか、
もういっそ、ボールと寝るとかね。
そんなふうなことが、はじまりです。

ボールは、いいですよぉ。
ボールは、あまのじゃくで、がまんづよくて。
ボールは、かわいらしくて、やさしくて。

あなたの好きなだけ、
いっしょに遊んでくれる。
ほったらかしにしても
文句もいわないで、
ボールは、待っていてくれる。

あなたにいま必要なのは、
ボールを蹴ること、
ボールを投げることです。
目はルールブックを
読むんじゃなくて、
ボールの飛んでいた先の
空を見るためにあるんです。

ボールは、すべてのはじまりです。

もういっそ、あなたが
ボールになりなさい。



僕らは得てして、
格好つけたがる。

でも、そもそも、何のためだっけ?

目的を叶える手段で
あるはずことに、
振り回されてはいないか?

シンプルにそんなことを
考えさせられた。

ボールになりましょう。

#viewpoint
#communication
#resource

2016年1月2日

読書状況 読み終わった [2016年1月2日]
カテゴリ こころ

【今日の一冊3『日本の名著 近代の思想』】

記念すべき中公新書の創刊第1冊目。
新書による読書ガイドとして、
数ある『〜の名著』のはしり。

明治維新から戦前を中心に、
哲学、政治、経済、社会、歴史、
文学論、科学に限って優れた本を選ぶ。

これは、1962年の作品。
この時点で、明治維新から
100年経っていない!(◎_◎;)

桑原武夫を中心に50作品を選び
梅原猛や川喜田二郎らが解説を書く。

紹介されてるのは、
福沢諭吉『学問のすゝめ』
岡倉天心『東洋の理想』
夏目漱石『文学論』
福田英子『妾の半生涯』
西田幾多郎『善の研究』などなど。

その中で、申年にちなんで、
南方熊楠『十二支考』より、
少し内容をご紹介すると…。

……

猿についていえば、
まずその世界各国語による
名称を列挙。

英語では古くは全てエープと言った
〔「まねをする」という
動詞apeから出たという〕
16世紀ごろからmonkeyという
言葉ができ、
前者は尾のない人間に近い猿をさし、
後者はその他を一括するなどと記述。

その後、『本草啓蒙』によって、
猿の和名を12あげる。

①コノミドリ
②ヨブコドリ
③イソノタチハキ
④イソノタモマトイ
⑤コガノミコ
⑥タカノミコ
⑦タカ
⑧マシラ
⑨マシコ
①⓪マシ
①①スズミノコ
①②サル

ちなみに、
木の上に棲むからトリと言う。

老猿はよく人の不浄を嗅ぎわけるので
これに帯刀させ、神前に不浄のまま
出てくる連中を追っ払わせたことから
イソノタチハキという。

イソは、神前をさすのではないか?

タカは、好んで高いところへ
登るからであろう。

マシラは、梵語の摩頭羅から
出たらしいが、これは、
サルが「去る」と聞こえるのに対し、
マシラは「優る」に通じたからだ…。

……………………

このように、一冊一冊の紹介文に、
日本人の生活における文化的・
感情的なるものの根元の一端に
さかのぼることができる。

新年だからこそ、「故きを温ねて新しきを知る」、
そんな向き合い方も良いかもしれません。

#viewpoint
#communication
#resource

2016年1月1日

読書状況 読み終わった [2016年1月1日]

【移動を狙えば、“買う”はつくれる?】生活者が購買者(ショッパー)になるまでに、「移動者」という状態を通る。その「移動者」の状態に、シズル感で商品の魅力を伝え、ブランドの「今」をニュースとして伝え、過去の経験を喚起させ、
その後の行動をアシストするのが、「移動者マーケティング」なるものらしい。ただ、それは全ての広告に言えることで、「移動者」状態にあることに限ったことではない。ポジショントークな気も?まとめると『移動中 心理がかわる その暇(いとま) 切り込む広告 買うをつくれる?』といったところでしょうか?

2012年12月31日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2012年12月31日]
カテゴリ ビジネス

【日本最初の恋愛小説?】今年は「古事記」完成から1300年。神代の物語や国の成り立ちにまつわる話などを記した日本最古の歴史書。稗田阿礼が口承し、奈良時代の官人、太安万侶(おおの・やすまろ)が編んだと伝わる。奈良県や島根県、宮崎県などゆかりの地では様々なイベントやツアーが企画され、観光客の誘致に取り組んだ。妻の死を嘆き悲しむあまり、今一度妻に会おうと黄泉の国を訪れたイザナキの話は、何度読んでも泣けてくる。
まとめると『神々の 恋愛 国の 成り立ちも 物語にして 後世に伝え』といったところでしょうか?

2012年12月31日

ネタバレ

両親と祖父母と10匹兄弟で暮らすねずみの大家族の話。
ある日、兄弟で、とんぼいけにとんぼを見に行きます。
はぐろとんぼ、おにやんま、きいととんぼ、ものさしとんぼ、
おおるりぼしとんぼ、しょうじょうとんぼ、ぎんやんま、
しおからとんぼ、のしめとんぼ…と、本当に、様々な蜻蛉が登場し、
それが丁寧に書かれていて、ある意味、理科の勉強になります。
お話自体は、ねずみの大兄弟に、ほのぼのとさせられ、心地よかったです。
まとめると『兄弟が みんなそろって ハイキング 個性いろいろ 
トンボもいろいろ 』といったところでしょうか?

2012年12月24日

ネタバレ

【100年以内に姿を消す動物?】絶滅危機動物とは、保護対策がなければ100年以内に野生から残らず姿を消すおそれのある、“守るべき”動物のことだ。ここでは、国際自然保護連合(IUCN)が約1万種を絶滅危機動物と認定した「レッドリスト」と、環境省が改訂した日本版レッドリスト(日本固有種対象)に記載される動物の中から、特に注目すべき生態や姿を持つ111種を厳選して紹介。レッサーパンダなど身近な動物が種の危機であることに驚く。
まとめると『一瞬で 存在なくなる 可能性 みつけられるか 共存の道』といったところでしょうか?

2012年12月20日

ネタバレ

「あがりめさがりめ」「いもむしごろごろ」などなつかしいあそびうたを、楽しめるように、イラストをつけ、マニュアル(読み方)でアドバイスするなど、知らなくても楽しめる工夫も施されている。しかし、子どもは、手遊び歌が、なんであんなに好きなんだろうか。恐らく、それは、親子で体をふれ合わせ、
声を出し、五感を総動員した歌あそびができるからだろう。子どもが飽きるまでの時間を、もう少し親子で楽しもうと思う。
まとめると『わらべうた 動作を使って 巻き込んで 五感使って 楽しくうたう』といったところでしょうか?

2012年12月20日

ネタバレ

【千葉真一はベンチャーである。】千葉は、体一つで演技を極め、演出の求めに応じ体を動かすアクションに誇りをもっていた。JACを設立し、多くの俳優を育て、「戦国自衛隊」では、日本初のアクション監督となり、ヘルメットにCCDカメラをつけるといった、斬新な撮影手法を採用。そんな千葉も、加齢とともに体力の限界を感じ、映画監督、プロデューサー業に本格的に乗り出す為、名前を封印。和千永 倫道 (わちなが りんどう)という新たな名での活動を目指すが・・・。
まとめると『名を捨てて 新たな果てを 求めるも まだ道半ば 遥かな理想』といったところでしょうか?

2012年12月19日

読書状況 読み終わった [2012年12月19日]
カテゴリ こころ

【かなうお参り、神頼み?!】夫婦円満・立身出世・金運UP・旅行安全など京阪神「願いごと」別神社仏閣108を紹介。ところで、“神社” と“仏閣”の違いをご存知ですか?祈りを捧げることにより、仏様の力で災難や苦しみを払ってもらうことのできる場所が仏閣(お寺)。神様に祈りを捧げることにより、「神の力」(パワー)を借りて、様々な現世利益を得ることのできる場所が神社だそうです。さて、あなたのかなえたい望みは何ですか?
まとめると『仏閣で 苦しみ払い 神頼み 力を借りて 望みをかなえる』といったところでしょうか?

2012年11月18日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2012年11月18日]
カテゴリ こころ

【京都の世界遺産を完全制覇】1994年「古都京都の文化財」として世界文化遺産に登録された17件を3回で回るルートを提案。
清水寺・銀閣寺・下鴨神社・上賀茂神社・金閣寺・龍安寺・仁和寺・高山寺(ここまで1回)、西本願寺・二条城・天龍寺・西芳寺・東寺・宇治上神社・平等院・醍醐寺(ここまで2回)、延暦寺(ここで3回)。いずれ劣らぬ魅力が満載。まさに京都の歴史が凝縮されたスポット。全て回れば京都の真髄が見えてくる?!
まとめると『絢爛も 枯山水も 刻まれた 戦と文化の 京都の歴史』といったところでしょうか?

2012年11月18日

ネタバレ

【関西人が愛する朝の番組のヒミツ紹介】売れっ子司会者である宮根誠司を育てたとも言える「おはよう朝日です。」
京都の美しい風景、奈良の歴史の深さ、神戸のファッション、滋賀や和歌山の豊かな自然を、そして
大阪の温かい人情を放送し続けた “関西文化遺産”ともいえる庶民的な朝のTV番組だ。30年記念し、
番組ができるまでのストーリーを、さながら「24」のドラマのように表舞台・裏舞台をあますところなく分刻みで紹介。
まとめると『関西の ハートつかんで 30年 ニュースとジカンと 元気を届けて』といったところでしょうか?

2012年11月17日

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読書状況 読み終わった [2012年11月17日]
カテゴリ 社会

【カレーにコピーを習う。】
カレーのCMは、「インド人もびっくり」、「おせちもいいけどカレーもね」など、
みんなが覚えている名コピーが多い。完全予約制1日6食限定のお店や夜がbarで昼間だけやっているお店など、京阪神を中心に個性的なカレー店
100店をキャッチコピーと実物の3/5の写真とともに紹介。
また、店主が高齢や病気を理由に、取材拒否されたウラ話などを聞くと、
カレーもいろいろ、人生いろいろだと思ってしまう。
まとめると『人生は 愛も涙も スパイスだ  人情あふれる 味あるカレー』といったところでしょうか?

2012年11月17日

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読書状況 読み終わった [2012年11月17日]
カテゴリ 社会

【福井、ヤバい!】ノッチ扮する偽オバマ大統領が、なじみの小浜(オバマ)以外の福井県の魅力を紹介する。勝山にあるド迫力の恐竜博物館をはじめ、越前ガニの特集、東尋坊や永平寺などの定番を含めて、見どころ満載。また、平均寿命がトップクラスの福井県民の健康と美容のヒミツであるヘルシー郷土料理も見逃せない。ちなみに、食育を最初に唱えたのは、「身土不二」の原理を発表した福井県出身の陸軍薬剤監の石塚左玄だそうだ。
まとめると『福井県 魅力いっぱい 盛りだくさん かにと恐竜 絶景坐禅』といったところでしょうか?

2012年10月27日

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読書状況 読み終わった [2012年10月27日]
カテゴリ 社会

ナタリー・ポートマン主演。鬼気迫る演技。
バレエ『白鳥の湖』の主演に抜擢され、純粋可憐なホワイト・スワンと、
蠱惑的なブラック・スワンの二つを演じることになったバレリーナが、
プレッシャーなどにより、徐々に、精神的に追い詰められていく様子を描く話。
この映画のように、立場上、相反する2つの役割を演じなくてはいけない人間にとっては、
主人公がプレッシャーに苛まれる姿には、共感を覚えるのではないだろうか。
まとめると、「反対の 自分演じる プレッシャー リアルと幻想 境界崩す」といったところでしょうか?

2012年10月19日

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