いちえふ 福島第一原子力発電所労働記(1) (モーニング KC)

著者 :
  • 講談社 (2014年4月23日発売)
3.78
  • (75)
  • (108)
  • (92)
  • (12)
  • (8)
本棚登録 : 1023
感想 : 104
4

称賛されるべき仕事に対して、それに見合う待遇と名誉が与えられないところは自衛隊を思わせる。現場作業員は何と6次下請けという、唾棄すべき業界の中抜き体質。絵のタッチや描きぶりはみやわき心太郎の雀鬼会漫画を思わせる。彼らのやっていることは大変有難い事なのだが、せっかくの稼ぎがタバコ、ギャンブルに消えていく描写を見ると、給料多くしてもその分、消えていくだけなのかなとも思ってしまう。現場の安全性については体験者ならではの、陰謀論やいわゆる放射脳的考えを打ち砕きつつ、予断を許さない緊張感が余すとこなく描写されている。意図的にか作者の性格によるものか、扇情的な描写をしない淡々としたルポ漫画になっている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: マンガ
感想投稿日 : 2015年1月28日
読了日 : 2015年1月28日
本棚登録日 : 2015年1月28日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする