限界集落の真実: 過疎の村は消えるか? (ちくま新書 941)

著者 :
  • 筑摩書房 (2012年1月10日発売)
3.61
  • (21)
  • (50)
  • (43)
  • (12)
  • (1)
本棚登録 : 613
感想 : 58
3

2007年前後に話題になった限界集落問題について、
独自に調べた結果、人口減少で消滅した集落はないし、
各地方の過疎集落に行ってみても、
老人たちがそれぞれ支え合って元気に暮らしている、
困ったことなど何もないというのが
本書の根幹になっているが、
ピントがずれるとしか思えなかった。

次世代の担い手がほとんどおらず、
高齢者のみが残っている過疎集落では、
現世代の老人がいなくなれば
次の世代がいないので自然消滅する可能性が高い
というのが問題なのに、
現世代の老人は、限界集落問題について
問題提起された以降も元気でやっていて
人は減っていないし、集落を維持している。

と繰り返し繰り返し述べられているが
現世代しかいないのであれば、
長寿化の影響で現世代が5年10年長生きしたところで
問題が先送りされているだけで
問題の本質はなんにも変わっていないということに
気づいていない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 地方再生
感想投稿日 : 2016年7月16日
読了日 : 2016年7月16日
本棚登録日 : 2016年7月16日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする