ダンディズム: 栄光と悲惨 (中公文庫 い 87-1)

著者 :
  • 中央公論新社 (1999年3月1日発売)
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本棚登録 : 169
感想 : 13

「ダンディ」そのものとして生きたジョージ・ブランメルという伊達男の生涯を見つめ、「ダンディ」の真髄に迫るという旨の本なのだが、そのブランメルという男がかなりイイ。バイロン卿に「ナポレオンになるよりもこの男になりたい」と言わしめ、街の仕立屋は自分とこの看板に“皇帝御用達”より“ブランメル御用達”と書きたがる。圧倒的な存在感。
クールでナルシストで、なんだこの男は!と読んでも面白いし、それ以上でもそれ以下でもない、純度百パーセントの“ダンディ”として生き、勿論文学作品など何一つ残さなかった彼がなぜ文学的問題として浮上してくるのかも紐解かれているので、そこも面白い。「ボオドレエルはダンディだが、真のダンディではない」という言葉の意味が分かる。

 しかし、それよりこの生田耕作という男もかなり気になる。「戦闘的客論としての姿勢を保ち続ける」「大学とも決別、自ら出版社を設立して孤高の立場を貫く」カバーより。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2012年1月17日
読了日 : 2012年1月17日
本棚登録日 : 2011年7月26日

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