エンデュミオン・スプリング

  • 新潮社 (2006年6月29日発売)
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本棚登録 : 114
感想 : 22
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ちょっと不和な両親に、出来過ぎな妹へのコンプレックスの塊みたいな坊やブレーク・・
自分でも”何故、僕なの?”そして出来過ぎの妹は”何故、このトウヘンボクな兄で、この出来過ぎの私じゃないの?”
ちょっと見、仲悪そうだけど、実はお互いに認め合ってて、そんなにも仲が悪くもない。
選ばれてない者が開いても、ただの白いページなのです・・・

この”選ばれし者”にしか見えない本の材質は、亡くなったドラゴンの皮膚なのです。
時に薄灰緑色・・ある時には真っ白で羽のように薄くて柔らかい・・
重さも変われば、形も変わってしまう不思議な本・・
選ばれし者ブレークの前に、時にリーフドラゴンになったり、時に精巧な折り紙のドラゴンになって現れては行くべき方向を指し示す。
私の白木蓮にも隠れてないかなぁ・・ドラゴン・・・

こういう時、あれですよね・・私ってきっと見える方のタイプだってお気楽に思っちゃったりするんですよね(笑)
本読みにはたまらない”選ばれし者”のみに読むことを許される本・・
でも、ある意味、いつもそうなのかもしれないとふと、思ったりして・・
本って読むべき時に、自分の前に読むべき本が現れる気がしませんか?
時期がずれていると、心に届かない時ってあるし・・・
だから、積読も、日の目を見る時期が違うわけで・・・

選ばれし者にしか読めない白いページの本って・・
個々に与えられた人生なんじゃないかなぁ・・・
この本を閉じる時、私はきっと笑っていると思う・・・そうあれるような人生を送ろう〜!

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 翻訳モノ
感想投稿日 : 2007年6月20日
本棚登録日 : 2007年6月20日

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