人生ざっくばらん
作り上げたニセモノのスイッチ。 あっけなく、押されてしまった。
好きという気持ちがなんなのか、 いつからか分からなくなっていた。 離れてみて、分かったような気がした。
世界とぼく、とてもありがちな言葉。 でもたとえば、雪は降るものではなくて、地上が上昇している、とか。 そういう世界。
結局、母でも娘でも先生でも友達でもなく、 あれは女だったのだ。 まぎれもなく、女だったのだ。 三つのまなざしとひとつの痴話。
センセイ、センセイ、 わたしセンセイがすきでした。 一緒に歩いた街も、一緒に飲んだお酒も、一緒に過ごした日々も、ぜんぶ。
水琴窟、ヨーグルトと橡の果、もういない姉、電車。 きみとぼくをつなぐもの。
彼に焦がれた。 彼女を想った。 内に蠢くものを、抑えきれなかった。
悶々、悶々と。 歩く先にはあのひとがいた。 勝手に、道を違えた。 歩くしかなかった。
魚や犬やお酒とダッチワイフと先生なんて。 こんな東京、ありかも。
ほんとうは知りたくないだけだろう。 そんな奴には指しかやらない。
忘れていた、恋には終わりがあるってこと。 劇的なドラマも、涙も、ここにはないけれど。
ノラとクルと先生とのお話。 先生は目が溶けるくらい泣いていた。 いつの間にか猫が大好きになっていた。
じんわり、と過ぎゆくもの。 それは恋だったり、一日だったり、行き先だったりする。
過去を消したかった女。 今を甘んじて受ける女。 すべてを知っていた男。 その三点が重なる場所。
あらしのよるにであったふたりは、 まんげつのよるにめぐりあった。