しないことリスト

著者 :
  • 大和書房 (2015年12月19日発売)
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本棚登録 : 1929
感想 : 195
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タイトルは軽いが、中身は人生全般を扱っており、説得力のある記載も多い。だが一方で著者が独身と思われるので、家庭がある者からすると、そこまで割り切ることはできないという記載も目についた。
常にすることを前提で考えているクセを、逆にしないことを、やる価値があるかを一つ一つ自分で確認しながらやるようにすれば、今のやることリストからしないことリストが多く出てくるという考えには賛同できた。
・結局、自分の頭で「それは本当に自分に必要なのか」一つ一つ考えていくしかない。評価基準を自分の外に置いている限り、他人に焦らされるのは避けられないからだ。
1.人や世間の評価で行動を決めるのではなく、自分なりの価値観を持つこと
2.他人や世間のべースに無理に付いていこうとせず、自分のべースを把握すること
・単なる情報を血肉こするには、他人の目を意識して文章をアウトプットしてみるのが有効な手段だ。
・ハンマーシュタインの言葉に、「有能な怠け者は指揮官にせよ。有能な働き者は参謀にせよ。無能な怠け者にはルーチンワークをやらせろ。無能な働き者には一切責任を与えるな」とある。
・だるさというのは大事な感覚だ。だるさを単なる怠惰な気持ちとして無視するんじゃなくて、もっとだるさに敏感になった方がいい。たるさを感じるときは、「体調が悪い」とか「精神状態が悪い」とか「今やっていることがあまり好きじゃない」とか、そうした漠然とした現状への違和感が体や気分のだるさとして表れているのだ。だるさというのは、ちよっと休養したり方向転換したりしたほうがいい、という体からのシグナルなのだと思っている。
・人間が変わる方法は3つしがない。1番目は時間配分を変える。2番目は住む場所を変える。3番目はつきあう人を変える。最も無意味なのは「決意な新たにする」ことだ。何かに行き詰まったり、何かを変えたいと思うときは、「気持ちを入れ替えてがんばろう|」と精神論で自分を変えようとするよりも、まわりの環境を変えたほうがいい。引っ越しや転職、そこまで無理でも旅行に出てみるくらいでも良い。その時は計画を立てずにフラッ旅に出ると良い。
・人は何かものを考えるとき、「そのときに自分がどこにいるか」という地理的な条件に結構左右されるものだ。普段、東京にいると、東京がすべての中心のような気がするけど、地方に行くと東京なんて全然意識せずに、それぞれの地方の暮らしが行われていることに気づく。会社も同じ。一歩会社から外へ出れば、もっと視野が広がる。
・ある程度豊かさが達成されて成長が頭打ちになってくると、今を犠牲にして先のたのにがんばってもそんなに明るい未来が待っているかはわからないし、今の時間自体を楽しもうという行動原理で動く人が増えてくる。今の日本もだんだんとそういう時代になりつつあるのかもしれない。人生ではときどき「今を犠牲にして先のためにがんばる」というのが必要なときもあるけど、基本はコンサマトリー(何かの目的のためにそれをするのではなく、それ自体を楽しむ)的に生きるのが幸せに生きるコツだ。生活の中にコンサマトリーな部分かないと、多分人間はしたない。そもそも人の人生は、何か大きな意義のたのに生きるというものではなく、その「生そのもの」を充実させるためにあるのだ。何の役に立つかとかややこしいことは考えずに、素直にやりたいと思えることをやろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 自己啓発
感想投稿日 : 2017年5月14日
読了日 : 2017年5月14日
本棚登録日 : 2017年5月14日

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