すぐやる! 「行動力」を高める“科学的な"方法

著者 :
  • 文響社 (2016年7月27日発売)
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感想 : 142
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この手の本も数冊読んできたが、書かれている内容はほぼ似通っている。
本書でのポイントは、能動的に脳をその気にさせて、簡単なことからでもちょっと始めてみる。自分なりのその気にさせるためのキーワードを脳に覚えこませる。脳を疲れさせないために、毎日やることはルーチン化して考えないようにする。すぐやらない人のクセは伝染するので気を付ける。

・適切な睡眠の量は生まれ持つた遺伝子によって、つまり人によって異なります。また、同じ人でも年齢を重ねれば必要な量は減っていきます。さらに必要な睡眠の量は、その日の目照時間と関係があります。必要な睡眠時間は常に変化しているため、「その日の目分」にちょうどいい睡眠量や脳の活性度を管理する基準として、「起床4時間後の眠気の有無」を見るのが有効なのです。もしその時間にだるかったり、あくびが出たり、ぼ1つとするなどの兆候があるならば、それは睡眠が不足しているというサインです。睡眠時間が短かったり、眠りの質が低くなってしまっています。逆に頭がスッキリ冴えていれば適切な睡眠時間が取れている証拠です。
・脳は、目から入つた情報に、もっとも大きな影響を受けています。一度脳に見せてしまったら、もう逆らえません。やる気があっても、少しだけテレビやスマホを見てしまったら、そこからの行動には「意志の力」が必要になってしまいます。従って、やるべきことを邪魔するものは出来るだけ視界に入らないようにしておくことが大切です。
・脳と体は、脳からの指示に従って体を動かすときと、身体を動かした結果から得られる感覚(視覚、聴覚、触覚など)が体を介して脳に伝えられる(これをフィードバックという)。
・「すぐやる」ためには、受け身(フィードバック)ではなく、能動的なシステムを活用しなければいけません。「どうしたいか」によって、作業の様子が変わる。れは、脳が目的に合わせて結果を予測して行動しているからです。自分はそもそも何のために行動しているのか、どこへ向かおうとしていえるのか、を定めて、そのためには体にどんな指令をすればよいかを決める。そして指令する。このしくみが、「フィードフォワード」です。フィードバツクが過去に基づくなら、フイードフォワードは未来に働きかけるものといえます。
・私たちは、体調が悪くなったり損をしたことには敏感に気づきます。しかし反対に状況がよくなると、悪かったときのことを忘れてしまう。そのため、改善したことにはなかなか気づきません。「いつも最悪」と感じている時は、本当に最悪なわけではありません。今の自分と過去の自分を対比できていないだけです。
・大事なことは、設定した目標通りに行動ができたかどうかではなく、今の自分の行動が能動的にコントロールできているかどうかに目を向けることです。
・「すぐやる」ためには、自分の「すぐやらなくなるサイン」に気づくこと力必要なのです。
・次の作業にちょっとだけ手をつけることが、脳に予測を立てやすくするだけでなく、今の自分を知るサインだと位置づけておけば、どんな状況にもしなやかに対応ずることができるはずです。
は無意識に他人を真似してしまうため、自分でも気づかないうちに周囲の人と、しぐさや話し方、ログセが似てきます。ですから、周りに「すぐにやらない人」がいれば、それもまた周囲に伝染していき、チーム全体に「先延ばしする雰囲気」が作られていきます。さらに、「すぐやらない人」の方が伝染力が強いのです。
・脳はその集団に染まりたくなくても、そこに所属し、その様子を目にする限りはやめることはできません。神経活動は、あなたが真似したい相手でも真似したくない相手でも、同じように働いてしまうのです。
・レベルの高い集団に身を置くことで、自分のレベルが上がることがある。
・耳から入れる情報の中でももっとも大切なのは、「自分自身が発する言葉」です。多くの人は、何かを思考するときに言葉を使います。頭の中で言語化することで、自分の考えをまとめ、行動に移すことができる。つまり言葉によって脳は動き出すのです。
・脳を動かす言葉としては「経験的な言葉」が必要。客観的な話に、自分なりに感じたことや、身体の様子を付け加えるように話してみましょう。
・日常的に「経験的な言葉」が良く使われるのは、家族や友人との雑談です。雑談が苦手な方は、相手に意識的に質問を投げかけるようにしきしょう。相手の話に「なるほど」「そうですね」で終わらず、「そのときどんなふうに思うんですか?」「なんでそうされたんですか?」など、必ず質問をしてみる。
・経験的な言葉を上手に使う人は、何かにたとえること力うまいもの。
・今の自分の状況とはかけ離れた状況を思い描き、「やればできる」と自分に言い聞かせているとしたら、それは脳にウソをついていることになります。このとき脳は、きなかつたことに対して「罪悪感」を生み出します。罪悪感から生まれたドーパミンによって、その次に自分がする行動に過剰に期待をかけます。その行動が「高い価値のあるものだ」と思い込み、「次こそはきっとできるはず」という期待感が煽られます。でも、いくらドーパミンが出ても、できるようになるわけではありませんから、結局また失敗して挫折することになるでしょう。「できる」と強く思っていたことができなかったことによって、さらに罪悪感を抱く、という悪循環が起こります。
・この悪循環を断つためには、「ここまではできる」と到達点を具体的にすることです。現実にできていないことは脳に要求しない。小さな成功を積み重ねることで、脳は本来の力を取り戻すのです。
・やらなかったことではなく、少しでも実行したことを言葉にする。自分の脳にどの言葉を聞かせたいのかを考え、発言を変えてみるのです。一度変えることができれば、先延ばしの話題で盛り上がっている集団を見ても、理解ができないようになります。
・課題にレぺルをつけると、「やればできる」というウゾを防ぐことがでさます。すぐにやらないときは、自分を低く見がちです。何もしていないうちに自分にレぺルをつけると低くっけすぎてしまい、結局、課題のレぺルを正しく判定できなくなります。
・自分の体が自然に動く状態になっている時の言葉、モチベーションの源泉となるキーワードを見つけて、その後に「すぐやる」をくっつけて言葉にしてみる。まずは自分自身をその気にさせる状態を口に出しながら紙に書いてみて、違和感がないか確かめる。しっくりきたら、その言葉の後に「すぐやる」をつけて口に出して、脳をすぐやる状態に変えましょう。
・新しい動きをすれば筋肉はまた新しい情報を脳に届けます。そして脳がそれに反応して、また新しい動きを指示して・・と、このサイクルを常にフル稼働していれば、脳が疲労してしまいます。その結果、身体は動かず、すぐやらない状態になってしまいます。そのためには、「何も考えずにできること」は極力毎日同じルーチンにすること。「ならなくても困らないこと」は会えてやらずに済ませること。そうすれば「やるべきこと」だけにしっかり注力できるようになる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 自己啓発
感想投稿日 : 2017年6月25日
読了日 : 2017年6月25日
本棚登録日 : 2017年6月25日

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