我々は通常、室町幕府→戦国時代→信長の登場→秀吉・家康という分権から集権化を歴史の必然の流れとして見がちだが、実はまったくそんなことがなく、信長の天下統一構想という極めて”非常識な闘争”がなければ、その後の集権化などはまったくあり得なかった、ということを実にマニアックに紐解く、歴史学者が書いた新書。おもろい。
この信長の非常識路線に対して、当時の常識人(足利義昭、本願寺、武田信玄、毛利輝元等)がどう考え対抗したか、特には義昭が中国地方に打ち立てて"鞆幕府"に注目して解説している点が興味深い。
また、豊臣秀吉の天下統一のかなり細かい過程と、検地、刀狩、城の棄却、鉢植え大名化等の教科書にも載るような政策の実態をあますところなく触れていて、信長、秀吉、家康の歴史をより実証的に知ってみたい人には本当にオススメの内容となっている。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ノンフィクション>歴史
- 感想投稿日 : 2014年8月9日
- 読了日 : 2014年7月30日
- 本棚登録日 : 2014年8月9日
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