年老いた父親と中年息子のロードムービー。
ねらいには共感できるが、ノリ切れなかった。
白黒で撮るという重さと、時にコメディーっぽい部分がなんとなくミスマッチに映った。コメディータッチ部分がわざとらしいというか、下ネタにする必要があるのか?というところ。
父親役以外の俳優も演じているというところが前に出すぎているような気もして。なんとなく嘘くさく感じてしまった。
白黒で現実感を出しつつ、アイロニーで辛い現実に向き合いながらも人生を肯定的に力強く表現する。のような方向が目指すべきものだったのだと思うが、そのような作品にはなっていない。
話が主人公目線のご都合主義。登場人物が一つの性格しかもっていない薄っぺらい人物ばかり。という特色に、この監督が、人間のダメな部分への許容量が少ないのではないかと、多面的にダメなところも含めて人間を肯定するということができないのでは、と思った。
もしくは、ハリウッド作品なので、ある程度わかりやすく勧善懲悪にする必要があったのか。父親の元共同経営者の人物とか、そんなに悪者に描く必要があるか、わかりやすい悪者を登場させて、主人公を盛り立てたいのか?という疑問符がついた。
また、かっこつけて白黒で撮らずに、カラーでリアリティーを出すように努力して撮った方が作品に力が出たのではと思う。もうひと工夫欲しかった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年11月5日
- 読了日 : 2017年11月4日
- 本棚登録日 : 2017年11月4日
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