冒頭、地位のありそうなお坊さんが絵巻物を広げると絵が動いて物語が始まる演出が面白い。
しかしこのお坊さん、誰なんだろう。前田玄以(でんでん)なんだろうか。どういうシチュエーションだろうか。それは視聴者が考えることってか。
織田信長(篠井英介)亡き後、後継者を決めるために清州に集まった家臣達。
信孝(坂東巳之助)を推す柴田勝家(役所広司)&丹羽長秀(小日向文世) VS 信雄(妻夫木聡)を推す羽柴秀吉(大泉洋)&黒田官兵衛(寺島進)の構図に。
二大陣営の駆け引きを描く政治劇・交渉劇・会議劇です。
見てる分には面白いけど、いざ自分が渦中に巻き込まれると、神経がまいりそう。
私は算命学で見ると習得本能・攻撃本能が高いので、ディベートは得意なのですが引力本能がないので人望・人気がない。いわゆるええこと言うけど嫌われるタイプ。だから多数決になると、「あいつがいるのなら反対陣営に入る」となりそう。
まあそれはともかく、二大陣営の駆け引き、楽しめました。
柴田勝家役の役所広司は「笑の大学」「有頂天ホテル」と全く違うキャラでした。
佐藤浩市も三谷作品では誰にも遠慮しない傍若無人なキャラを演じている印象ありますが、今回の池田恒興はどちらの陣営にも気を使っているような二股かけているような面白い役どころを演じていました。
羽柴秀吉に対抗意識を持つ丹羽長秀を演じた小日向文世は『真田丸』では秀吉を演じました。
様々な役を演じる役者の仕事って、奥が深いですね。
それにしても、明智光秀(浅野和之)がかなり年配に描かれていました。私も過去、村上弘明やマイケル富岡らの光秀を見たことありますが、本作品の光秀は史上最高齢なのではないでしょうか。史実では50代で亡くなっているのですが。これじゃまるで水戸黄門様や天海僧正だ。
最後、丹羽長秀は羽柴陣営の分断工作に乗せられます。
もし長秀が秀吉の工作に乗せられず、柴田支持を貫いていたなら、会議の結果はどうなっていたでしょうか。
長秀VS秀吉の“夢の対決”が見たかった。
しかし、滝川一益(阿南健治)が馬にも乗らず一人で走っていたのは何で?まるで落ち武者みたい。
滝川一益が会議に間に合っていたら、結果はどうなっていたのでしょうか。
(私は敗者に肩入れしたくなるので、敗者が勝っていたかもしれないシナリオを色々とシミュレートしたくなります。)
しかし、信長亡き後も織田家には色々な人材が残っていたのですね。
これらの人々はみな秀吉に追いやられたのですか。
皮肉なことに豊臣家も秀吉亡き後、徳川家に同じことされるのです。
この映画、ジャンルで言うと「会議もの」か。色々と見たい。
http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20170225/p1
- 感想投稿日 : 2017年2月25日
- 読了日 : 2017年2月25日
- 本棚登録日 : 2017年2月25日
みんなの感想をみる