自分に自信を持つ人だけが、他者に対しても公正になれるのである。
名言だらけの一冊。いよいよキリスト教を容認したコンスタンティヌス・コンスタンティウス父子の時代へ。身内を皇帝として擁立させるための言い訳として、「神が選んだから」という理由が必要になる。また、庶民と違う「神」として、皇帝は一部の取り巻き以外と容易に口をきかなくなる。そして、疑わしき者の粛清による、ゆるぎない皇帝の地位確立。どこかの国に似ているような…。いつの時代も、社会が不安にさらされている時は、強いリーダーが求められる。さらにスピリチュアルな方向に民衆が進む。この時は蛮族の侵入により、世界最強のローマ帝国に穴が開き始めた時期。強いリーダー+スピリチュアルの結果が、神に選ばれた皇帝の誕生であったのではないか。それにしても、ローマ帝国崩壊のきっかけの一端を担い、さらには暗黒の中世を築き上げたにも関わらず、今でも尚キリスト教は世界の大多数から支持される宗教であることを不思議に思った。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
歴史・政治・経済
- 感想投稿日 : 2015年7月17日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2015年7月17日
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