絶賛上告中である、粉飾詐欺の首謀者として逮捕された著者自身による告白本。事件のあらましが、当時関わっていた社長や検事・弁護士との会話を再現する形で丁寧に進む。基本的に、“顧客の事業発展を手伝いたい”というコンサル業のご立派な理念の主張が繰り返されているだけで、内容そのものは薄い。
“そして何より、粉飾した決算書を提出することは、銀行を騙したことにはならない” “事業を継続したい、会社を立て直して存続させたい、そう強く望む中小企業を助けたい一心で、私な粉飾決算に関与した。” プロローグにあるこの告白をどう捉えるかで、本書の印象は大きく違うものになると思う。
被疑者サイドの主張はともかく、特捜の創り上げた「佐藤真言首謀者説」というストーリーにハマってしまったのは、お気の毒としか言えない。
読書状況:読み終わった
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KNOWLEDGE
- 感想投稿日 : 2013年5月20日
- 読了日 : 2013年5月14日
- 本棚登録日 : 2013年5月13日
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