著者の本を何冊か読んできましたが、この本は公務員制度改革についての著者なりの理論的帰結であり、そのため、よく言えば「理論的」で問題点が整理されています。
またその反面、結論として提示される職業人生における「官民合流」というゴールにはどうしても上滑りの印象があり、官民双方にとって「なるほど!」と膝を打てるものとは程遠いのではないでしょうか?
そのことはおそらく著者自身よくわかっていて、評者のような「食わず嫌い」に対して噛んで含めるがごとく「公務員制度を国民に理解してもらうにはこれしかない!」「思ったほどミスマッチじゃないから、まずやってみよう!」と呼びかけています。
個人的にはそうした議論にはあまり説得力を感じませんでしたが、是非はともあれ、著者がなぜここまで過激(?)な結論を示すに至ったか、言い換えれば、なぜ「公務員制度改革」というものが一般国民の目から見て進展しているように見えないのか、そのカラクリについては民間側も含めた環境要因について説得力ある議論が展開されます。
「消費増税の前に無駄ヅカイの根絶を」という時の「無駄ヅカイ」の絶対基準について、国民的合意が得られることは未来永劫あり得ない、最低限そういう認識だけでも国民的に合意しておく必要を強く感じます。
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- 感想投稿日 : 2014年3月1日
- 読了日 : 2010年7月21日
- 本棚登録日 : 2014年3月1日
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