V.I.ウォーショースキーが還って来た!!遠い過去の出来事が不意に眼前に…そして拡がる波紋…事態が二転三転する中で、危険な目にも遭いながらV.I.ウォーショースキーが見出す真実は??一寸夢中になってしまった…
このV.I.ウォーショースキーが活躍するシリーズは、「一人称の語り」で物語が進められる。この方式…固定された視点人物の見聞、行動、思考の範囲で事態が動いて行くので“(変な)飛躍”が無く、“破綻”も無い。主人公の脇でこっそり見守っているような、或いは主人公自身と重なり合うような感じで、作中の出来事の進行に入り込んでしまう。これが魅力だ…
更に本作は「街の描写」が活き活きしている。本当にV.I.ウォーショースキーと一緒に街を動き回り、関係者を訪ねて話しを聴いたり、怪しい場所に忍び込もうとしているような気になってしまう…永い年月に亘って綴られているシリーズだが、その間の世の中や街の変化も巧く織り込まれている…
色々なことが在ったシリーズの各作品だが…本作は何処となく初期の各作品の雰囲気が戻って来た感じだ。手近な人物、古い記憶の中の人物が事案を持ち込み、シカゴの街や近郊を動き回って事件に取組む感じだ…そして、最近のシリーズでは縁が在る筋の若い女学生のような人物が居て、V.I.ウォーショースキーは保護者的な役目を担わなければならなくなり、その人物が事件に巻き込まれるようなことになってしまい、身体を張って護り、助けようとするような展開がよく在るのだが…本作にもそういう要素が入っている…
とにかくも愉しく、夢中で読了の一冊である…
- 感想投稿日 : 2017年1月14日
- 読了日 : 2017年1月14日
- 本棚登録日 : 2017年1月14日
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