おなじみの社会学者・古市憲寿と、若手の左寄り哲学者・國分功一郎の共著、対談集。國分もlifeで知って、とても面白いしっかりした人だなという印象を持っていた。哲学者って名乗るのは結構大変だと思う。哲学の仕事って真理の探究でしょ。思想とは違う、っていうのはイメージで線引きはわからないけど、でも逆にそう名乗っているのが新鮮。
本の内容としては、現状、日本の社会制度や流行りなんかをバシバシと批判する感じ。古市はノルウェーに、國分はフランスに、共に学生時代留学していた経験があるので、そこと日本との違いをいいところ悪いところを上げながらやり合うのは、結構面白かった。相変わらず古市は自由で現代の権化。でもこの本では多少だけど、育った家庭のスタイルとか食事の好み、運動に関してとか、古市個人のことが書かれていて関心が行った。現代の権化、というのは決めつけだけれど(個人的には好きだけど)、それにも因果と言っていいのかわからないけれど、理由はあるのだなと感じた。こういう考え方はちょっと宗教くさいでしょうか。その点國分の考えは、ちょっと自分とは違うところはあるけど、いたって理解しやすく、コンテクストとテクストが素直に結びつく。
古市がいろいろと聞いて、國分がべらべらと考えていることをしゃべる。たぶんこの考え方、古市は納得してないよな、とかいろいろと想像もはかどる。面白かった。國分の消費と不満足あたりの着想はかなり関心がある。「暇と余暇の倫理学」今度読んでみよう。
17.6.20
読書状況:読み終わった
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文化
- 感想投稿日 : 2017年6月21日
- 読了日 : 2017年6月21日
- 本棚登録日 : 2017年6月12日
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