新約聖書学者の田川健三の大著。新約聖書を宗教書としてではなく、歴史的書物として分解し考察する。近代化と多元主義の啓蒙の中で、聖書の神性も客観的に暴かれ、人工の書物として眺められ続けている。日本の新約聖書学者としては名実共に第一人者である田川だが、相変わらずの皮肉節も炸裂して刺激的な一冊になっている。
年号で表すのも困難な古代を、時系列を丁寧に整えながらその思想内容と当時の時代性、歴史性を読み取っていくその仕事は舌を巻く。途中専門的に過ぎて意識が飛びそうになったが、何とか読み終えた。
17.9.6
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
キリスト教関係
- 感想投稿日 : 2017年9月6日
- 読了日 : 2017年9月6日
- 本棚登録日 : 2016年6月6日
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