封印されたミッキーマウス: 美少女ゲームから核兵器まで抹殺された12のエピソード

著者 :
  • 洋泉社 (2008年5月1日発売)
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本棚登録 : 79
感想 : 15
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「ネット上に都市伝説のように流布しているエピソードを、真偽不明で終わらせるなら、
 それこそネットの焼き直しに過ぎない。[……]そうならないために、
 私は血を吐く思いで愚直な取材を積み重ねるしか方法がなかった。
 ネットが普及した今だからこそ、ジャーナリズムのあり方が問われている」
との「高尚」な目的とはウラハラに、ずいぶんとお粗末な本だったなーというのが素直な感想。

 本書は主に、安藤さんが様々な雑誌に掲載した原稿を加筆し、まとめたもの。前述のような意識の割に、ゴシップ的な内容が多く、真面目に読もうという気はしなかったなー。そもそも、初出がゴシップ誌の原稿も多いので、当たり前っちゃ当たり前。ただ、掲載誌によってクオリティに差が垣間見えるのはどうかと思った。っていうか、「真偽不明で終わらせるなら、それこそネットの焼き直しに過ぎない」と仰っているのに、実際には「真偽不明」で終わらせる調査もいくつかあるのねー。

 もちろん、安藤さんが力を入れたものの一つである「捏造された日本人差別」章のように、それなりに読み応えのあったものもあるんだけれど、なんか玉石混交って感じだす。


【目次】
はじめに
01 人気マンガのパロディが思わぬ事態に 『コミックビーム』の回収騒動
02 “NEVADAちゃん”の憂鬱 ネットアイドル化する殺人少女
03 “私、実は男なんです”に抗議殺到! 美少女ゲームに見るオタク最前線
04 あの「主人公」は今
05 知られざる封印作品の世界
06 なぜ作品は封印されるのか?
07 宮崎勤と『ウルトラセブン』 第一二話をつなぐミステリー
08 未完の巨大建造プロジェクト
09 核兵器が封じられた魔の洞窟 小笠原・父島の怪伝説の闇
10 捏造された日本人差別 タイタニック生還者が美談になるまで
11 ミッキーマウスのタブー 大津市プール事件と著作権問題
12 「フランス語を日本の公用語にせよ!」 志賀直哉の爆弾発言を追って

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 総記
感想投稿日 : 2011年8月22日
読了日 : 2011年8月22日
本棚登録日 : 2011年8月22日

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