悪意に満ちた世界に絶望しすべてを壊す男とそんな世界を見てもなお人を助けることを決めた男の闘いの行く末が描かれた最終巻。
積もった思い。11巻で明かされた案山子本来の目的は復讐の道具という負の感情によるものでした。その府の産物を操るのは奇しくも負の連鎖が集った少年阿幾。そして、そんな阿幾と対峙するのは人の心を宿した案山子ククリと共に闘う匡平。この組み合わせは1巻から描かれていましたがこうして最後の過程を経た後の闘いはどこか虚しく切なかったです。最後の終わり方には少し言いたいこともありますが、これが最良と言えばそうかもしれないと思ってしまう自分がいます。ある意味で許されたような最期でもありましたが、始まりの場所で逝けたのがせめてもの手向けだったんですかね。
どちらかといえばまだ決着はついていない印象ですね。すべてが平らになったようなここから初めていかなければいけないという点でエピローグがもう少し年数経った詩緒を見てみたかったです。まぁだけど面白い作品でした。もうそろそろ天にひびき買おうかな
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2013年4月25日
- 読了日 : 2013年4月25日
- 本棚登録日 : 2013年4月25日
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