新リア王 下

著者 :
  • 新潮社 (2005年10月26日発売)
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本棚登録 : 424
感想 : 34
4

高村薫の新作、「太陽を曳く馬」の前作に当たる作品です。
買ってから長らく中断してましたが、
年末年始に読み終わりました。

年老いた自民党代議士の栄枯盛衰を、劇画のように仰々しく脚色した話です。
代議士である老齢の父と、禅寺に出家した息子の対話形式で
ストーリーが進んでいきます。
父は話す言葉全てが政治、息子は話す言葉全てが仏教でして、
正直ついていけないところがたくさんありました。
加えてかなりのボリュームです。

なので、かなり端折って読んでた部分もありますが、
読み終えた後は、まるで代議士としての人生を終えたかのような
達成感でした。

因みに「新リア王」の前作として、「晴子情歌」という作品があります。
「新リア王」に登場する代議士一族の原点となる話です。
これまた相当ボリュームのある話でして、
なかなか気楽に読める感じではありません。
私としては、世代交代しかかってるじいさんを描いた「新リア王」より、
女性の強さを描いた「晴子情歌」の方が個人的には好きな感じです。

「太陽を曳く馬」はまだ読んでないのですが、
古本で安くなるのを待ちつつ、
また英語の本にチャレンジしていこうかなーと思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2010年3月28日
読了日 : 2010年3月28日
本棚登録日 : 2010年3月28日

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