線型代数入門

著者 :
  • 岩波書店 (1980年9月4日発売)
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線形代数を学ぶ上でベストの教科書。

1.定理細分化
定理として細かくまとめることで、区分化・整理された形で頭に入れられる。

2.細かい練習問題
細かく定理化してくるので、証明が否が応にも多くなるが、難易度が高くないものは読者への出題とされる。難易度が低いのでなんてことはないのであるが、議論の一部となる定理を自身で証明するわけであり、主体性を持って進められる他、自信がつき、挫折しづらい。

3.トップダウン
行列式やジョルダン標準形などは議論の組み立て方にかなり自由度があり、教科書の数だけアプローチの方法がある。その中で、この教科書は、歴史的経緯や応用上の目的は脇に置いて、とにかく論理展開の見通しの良さを最優先している。そのため、とにかく議論の流れが明快で、定理も簡素、とても分かりやすい。
歴史的経緯や応用上の目的の理解が後回しになるが、サクサク進むので苦にならず、むしろこれらを重視した結果見通しの悪い論理展開になってしまっている教科書よりもはるかに早く全体像を把握できる。

バチグンのお勧め。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: Mathematics
感想投稿日 : 2012年2月22日
読了日 : 2011年10月14日
本棚登録日 : 2012年2月22日

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