読書を「技」として身に付けることの効用を問いた本。
ではその「技」を身につけた基準とは何か、それは斎藤孝氏が言うところでは、文庫系100冊、新書系50冊を読んだということ。
読書をすることが当たり前となり、習慣となるからだという。
このように具体的に示されると、読書に対して、目標ができ、熱をおびるから不思議だ。本好きを自負していても、自己が成長でき価値観も養われているか?という風に聞かれると”全然”な自分に気づく人は多いと思う。
好きな作家だけ読むとか、純文学を避けて通るとか、また文学作品は堅苦しいだとか、文語体が入っていれば読まないと言う風な読書。
そして現在は映画化されたものを観て視覚のみで満足する。ひどい場合は漫画しか読まない。ゲーム感覚の本のみ読む。そんな人も多いと思う。
生きていく事の知識というのは大抵、先人により古今東西に小説、新書という形で残っているのだ。それを読まないという手はない。ハウツー本を読めというのでは無く、日本文学、ドイツ文学、ロシア文学等、そこから得られる人間の息遣いは決して古びないのだという。
本は安い。しかし本の中の広がりは大草原さながら。実体験では成し得ない、経験と驚きの連続なのだ。
また緩急をつけた読書も著者は提唱している。難しい本と同時に優しい本、それを同時に何冊も平行に走らせて読むことで脳のギアチェンジを図るのが良いと。
少し背伸びした緊張感のある読書を心がけるのも良いという。
新書は読んでこなかったし、読むものは直木賞が基準
!?だったし、いっぱい読んでも雰囲気重視だったりする自分を認めつつ、新しい読書のスタイルも確立していこうという気になった。
トルストイやドフトエフスキーをまず、積読にしておこう。そして、巻末にある齋藤孝氏のおすすめ本も試してみたい。
改めて本とは安いものだ。
- 感想投稿日 : 2015年11月3日
- 読了日 : 2015年11月3日
- 本棚登録日 : 2015年10月28日
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