みちづれはいても、ひとり

著者 :
  • 光文社 (2017年10月17日発売)
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本棚登録 : 584
感想 : 71
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寺地はるな、3作目。ほんわかしてて見逃しがちだけど、思い返せば3作とも全部よかった。
わたしのような甘えて生きたい人には、今後も頼りたくなるような名言がいっぱい、毎度。

別居中のだんなさんが失踪して、特に探したいわけでもないのに、目撃情報を元に今のお隣さんといっしょに探しに行くはめになって、というストーリーです。ネタバレですが大丈夫、そのストーリーの中で、甘えるなということと、多少甘えてもいいんだよ、ということを言っていて、わりと前向きな気持で読み終えられるところがおすすめです。
特に好きなのは、弓子が、自分はどんな辛いときにも泣かなくて、そうやって感情をむやみに表に出さないことが大人だと思っていたけどそれは痩せ我慢にすぎなかった、って省みるんだけど、一方で、お隣さんの楓さんは、大したことじゃないからって弓子が言わずにいることを、大したことないのなら言えばいいのにって腹を立てるところです。そんな優しいのがたびたびあって泣きたくなる。

「一緒にいて死んじゃうくらいなら別れたほうがいいのよ」ともゆってくれています。甘えて逃げるだんなさまのことはだめだって言ってるのに、逃げないで頑張ろうとする人には、しんどすぎるときは逃げちゃえってゆってくれるの、それは寺地さんは毎回ゆってくれるの、だからまた読みたいです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年12月9日
読了日 : 2017年12月9日
本棚登録日 : 2017年12月9日

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