系外惑星と太陽系 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店 (2017年2月22日発売)
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感想 : 12
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★2017年4月21日読了『系外惑星と太陽系』井田茂著 評価B+

結論から言えば、人類は宇宙唯一の生命である可能性は低く、数え切れないほどの生命の可能性が高いということ。
最先端の系外惑星研究を素人にも分かりやすく解説してくれている本書の出来は非常に良いと感じた。

系外惑星とは、太陽系以外の惑星のこと。
この本のテーマ 
①太陽以外の恒星に、太陽系と同じような惑星系が存在するのか?
②その惑星系にはどの程度の確率、個数で生命が存在する可能性があるのか?

近年の長足の測定機器類の進歩により、太陽系外の恒星、銀河系だけでも数千億の惑星系が存在。その10-20%に生命が生息している可能性のあるいわゆるハビタブル惑星である可能性が高まってきた。

また、太陽系の形成がどのような経緯をたどって、それぞれの惑星が形成されてきたのかも現在の学説を丁寧に説明している。
さらに、地球での生命進化の歴史も駆け足でたどってくれる。

冥王代(45億~38億年前)に生命は誕生。6-7億年前のカンブリア大爆発と呼ばれるタイミングで生命の大幅な進化の記録がある。
太陽型星のハビタブル惑星の炭素循環が重要で、海と陸、マントルでの炭素循環は、プレートテクトニクス、火山噴火、温室効果などを通じて気候が安定化、不安定化を繰り返す。この環境変動により生命の遺伝子コピーミスが誘発され、生命はそれを契機として飛躍的な大進化を遂げてきていると推測されている。実際、地球全凍結は、火山活動によるCO2大気中放出による温室化効果で凍結が解除されたと考えられている。

(ということは、地球上の生命体進化のためには、火山噴火、温室効果、氷河期、全球凍結は必要ということなのか?我々人類はどう対処すべきなのかも考えさせられてしまう。)

また、系外惑星についても、最新の研究で分かってきたその大きさや成り立ちの推測についても解説をしている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: その他
感想投稿日 : 2017年5月21日
読了日 : 2017年4月21日
本棚登録日 : 2017年4月21日

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