現代のヤンキークラスタを研究した経済(?)書。
いわゆるヤンキーと呼ばれる人たちは昔からいるが、本書では現代のヤンキーを「マイルドヤンキー」と定義している。その主な特徴としては、向上心は弱く地元への執着心は強い、地元友人との付き合いが生活の中心、娯楽はパチンコで喫煙率が高い、スマホ普及率は高いがITは苦手、車はセダンよりミニバン、などなど…
昔ながらのヤンキーと比べると少し小粒で、いかにもゆとり世代の不良、草食系ワルといった風情だが、同年代の他のクラスタと比較すると購買意識が高いという、このご時世に何とも心強い特徴があるようだ。実際に彼らをターゲットとした、悪羅悪羅系(笑)の雑誌やファッションは売れているらしい。
一見すると非常に特異に見える研究だが、もしかしたらマーケティング目的だけではなく、若年層の自殺や老人の孤独死、また首都圏一極集中など、いま日本が抱える様々な社会問題に対しても、解決の糸口と成り得るのではと、少し真剣に考えた。
上昇志向は無いけれど、いつも気の合う仲間同士で集まり、たまにショッピングモールでささやかな贅沢をする。
考えてみると、人生の幸せって意外とそんな些細な事なのかもしれない。自分が若い頃、仕事を理由に友人の結婚式を欠席してしまい、あとから猛烈に後悔した事を、不意に思い出してしまった。
マイルドヤンキー的なライフスタイル、決して悪くないと自分は思う。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ビジネス
- 感想投稿日 : 2014年3月6日
- 読了日 : 2014年3月6日
- 本棚登録日 : 2014年2月12日
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