再読。読み終えると必ず冒頭の数ページを読み返したくなる。草の竪琴をもう一度聴くために。草の竪琴に始まり草の竪琴に終わる物語は、少年時代の輝かしき思い出、完全な円。閉じた円が螺旋になることはないから、本を閉じ、目を瞑り、その円が過去から未来へいくつも繋がっていくさまを脳裡に描いてみる。「愛の鎖」となるように。繊細さや純粋さを持つ人々は生き辛くて、その現実に涙が滲んでくるけれども、それらを持たずに生きるのは、小さな呼吸が溢れた美しい世界を見過ごすことに等しい。痛みと美しさは切り離せない関係にあるのだと思う。
《2014.11.26》
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
英米
- 感想投稿日 : 2015年11月27日
- 読了日 : 2014年11月26日
- 本棚登録日 : 2015年11月27日
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