かくも長き不在 (ちくま文庫)

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月湖さん フランス   読み終わった 

影までも焼きつくす陽射しの下に佇んでいると、時間が止まり記憶の重心に火がともる。女はどこにも属さない時間に現れた記憶喪失の男を追いかける。執拗なまでの熱心さで注視しても、その目、その口、その手の残像は火片となって散ってしまうので、一つの像を結ぶことはない。鏡のように笑う男は女を見ていない。それでも待つ、ということ。

諦めきれない想いが歳月のなかで燃え盛る炎のように私を呼びとめるなら、待つことの不自由さに耐えることができるのだろうか。風に夏のにおいが混じる。あなたの不在する季節がやってくる。長い終わりの始まり。

レビュー投稿日
2017年5月19日
読了日
2017年5月19日
本棚登録日
2017年7月10日
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