箱少年

著者 :
  • エフ企画 (2002年11月1日発売)
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本棚登録 : 57
感想 : 8

再読。部屋の中に何の変哲もない蓋の閉じられた段ボール箱がある。ここで私の見ている箱というのは、想像上の箱、非在の箱。その内部は巨大な空虚であり豊穣とした充溢でもあり、部屋という箱の中にいる私が誰かに見られていないとも限らず、内部と外部が交換可能な世界が箱であるのかもしれない、とメビウスの輪的思考に陥る。箱の罠(あるいは穴)に嵌まってしまった。
つまり私は箱を形容する的確な言葉を持ち得ない。
けれども、箱と遊び、箱に遊ばれる少年の見開いた真っ赤な目の奇怪さに引き寄せられ、ますます私は箱を好きになっていきます。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 芸術
感想投稿日 : 2016年6月7日
読了日 : 2015年6月7日
本棚登録日 : 2016年6月7日

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