わたしの隣の王国

著者 :
  • 新潮社 (2016年9月21日発売)
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本棚登録 : 147
感想 : 22
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巻末の参考文献にも明記されているけれど、この話の舞台ハッピーファンタジアは読めば誰にでも分かるレベルでディズニーリゾートを模している。
私自身はナルニアもゲドも指輪物語といった海外ファンタジーは好きだしそれを扱ったテーマパークがあればいいなとも思う。でもそのイメージを頭の中に描くにはリアルのディズニーが強過ぎる。
そのせいで杏那やパークスタッフがいくらハッピーファンタジアの魅力を語り、キャラが世界の危機を訴えても借り物感が拭えない。

そして身勝手に解放されてないエリアに立ち入った上に、いくら好きだからといってファンタジーの世界に入り込んだのをさして驚く事もなく受け入れる杏那や、いきなり探偵の真似事を始める部外者の優に対して怪しむ事もなくペラペラと内情を語るスタッフに違和感が。
魔方陣やアナグラムそのものはよく出来ているのに、それを難なく杏那や優が解いてしまう辺りを含めて全体的に御都合主義過ぎて最後まで物語に入り込めず、読み手として置いてけぼりにされた気分だった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文芸書
感想投稿日 : 2017年1月28日
読了日 : 2017年1月28日
本棚登録日 : 2017年1月28日

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