たったひとつのねがいごと

  • ほるぷ出版
3.40
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本棚登録 : 243
感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784593505340

作品紹介・あらすじ

ある日、モリーがいちばへかいものにいくと、ふしぎなおばあさんとであいました。こんばんモリーは、ひとつだけねがいがかなうまほうのさかなのほねを手にするというのです。さて、モリーのねがいごととは…。英国の作家チャールズ・ディケンズのお話にヒントを得て、人気絵本作家が丁寧にえがいた、心あたたまる絵本。

感想・レビュー・書評

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  • 『ないしょのおともだち』のバーバラ・マクリントック作。丁寧で可愛らしい絵に惹かれて手に取りました。

    猫のモリーは晩御飯の買い物に出かけて行きました。
    そこで不思議なおばあさんに出会います。
    おばあさんは自分はあなたを守る妖精だ、と名乗り、
    モリーに今夜の晩御飯の魚から魔法の骨がみつかると言う。
    それは「あなたのねがいを、どんなことでもひとつだけかなえてくれ」るのだそうです。

    モリーは「いちばんいいおねがい」をじっくり考えますが…。

    とにかく絵が好みで眼福のひととき。
    絵本内を流れるゆったりとした時間の流れと、安定の展開が心を穏やかにさせてくれます。

    モリーは子供なのに自分をしっかり持っていて、どんなお願いにするか、兄弟に急かされても「ほんとうにかなえてほしい おねがいが みつかるまで、まってみるわ」と、マイペース。

    あせることはない、じっくりよく考えること。

    大人でも難しい。
    それに意外と自分が何を「いちばん」望んでいるかなんて、わからないんですよね。

    擬人化された二本足でたつ猫の絵、が好きな方にもどうぞ。

  • 風邪で寝込んでいるお母さんに代って、晩御飯のおかずを買いに出かけたモリ-(5人姉弟の年長者)が、街なかで知らないお婆さんから 「私はあなたを守る妖精よ。 今夜あなたは、お皿の魚から骨を1本みつけるわ。それは魔法の骨だから、あなたのどんな願いでも一つだけ叶えてくれるわ。よく考えて願いなさい、一度だけですからね」と言って、ピュ-ッ!と消えてしまいました。その晩、お皿に1本の魚の骨が残っているのを見つけたモリ-は〝たった一つの願いごと〟を、幼い姉弟たちに伝えると・・・。 本当に大切なものへと導かれる絵本です。

  • 長年大勢の猫たちと暮らしていても、いつまでも神秘的な部分が残る。
    この絵の登場人物の猫たちも、人間と同じように買い物に行ったり、大事な器を割ってオロオロしたり、お化けが出て怖いから眠れないなどと言っている。
    ひょっとして本当にやっていそうな気もするから、猫好きなひとは特に喜ぶだろう。
    絵も精密でやさしく、色合いも渋い。

    さて、不思議なおばあさんに出逢って、たったひとつの願い事を叶えてくれる魔法の骨の存在を教えてもらったモリーだが、いくら困ったことが起きてもなかなか使わない。
    自分の工夫でその場その場を乗り切る。きっとそこがこのお話の良いところ。
    そしてもっと良いところは、末っ子のフィリスが迷子になってしまったときに、自分の願いを退けて心からフィリスのために骨に祈る場面だ。

    「どんなものをもらったって、おまえがいなければなんにもならないわ」
    良い言葉だ。賢くて優しくて素敵なモリー。
    予想通りの結果ではあるけれど、家族を思い、いつも家族に寄り添い、惜しみなくみんなのために働くモリーは貴重な存在だ。
    モノよりも大切なものがこの世にはあると教えてくれる。

    クリスマスを家族と過ごせる幸せも、そっと教えてくれるお話。
    ディケンズのお話を元にしたそうだけど、元になった話はなんだろう?
    ご存じの方がいらしたら教えてください。

  • あ~久々に“THE正統派”の絵本を読んだなぁという充足感w
    妖精のおばあさんから、一つだけ願いを叶える〈まほうのほね〉を手に入れると予言されたモリー。
    妹たちはあれやこれやとちょっとしたお願いに〈まほうのほね〉を使いたがるけれど、安易に使わず熟考するのがモリ-の賢いところ。自分にとって何が一番大切かわかっている彼女の純粋な「たったひとつのねがい」に心が洗われるようだ。
    今からクリスマスに何をもらうかで頭がいっぱいの欲望まみれの7歳の息子にはどこまで響いたのやらw

  • 何を願うんだろうって私も一緒に考える。
    途中で、ドレスいっぱいを願おうと決めたところでえっ?とその意外性に驚いてしまった。きっと道徳的なお願いだと見込んでいたので。
    最終的には胸を打たれるお願いに落ち着くけれど、そんなこんなで途中までは大丈夫かな?と側から心配になってしまう、道徳的ストーリーの固定観念に固められてしまっている自分に気がつくストーリーでした。絵が好みです。

  • モリー賢いなぁ。
    ひとつしか願い事を、本当にお願いしたいことのために大切にとっておく。
    できることは自分で解決する。
    そんなこだからこそ、妖精のおばあさんはモリーに魔法のほねを授けてくれたのかな。
    でも、最終的に彼女が使った願い事に、心を打たれます。
    素敵なお話でした。

  • なんて可愛らしくて繊細な絵。猫のペットがうさぎというのも、なかなかステキ。

  • 絵のやさしい雰囲気が好きでした。

  • ねこちゃん姉妹が主役の絵本です。
    お姉ちゃんは市場でようせいのおばあさんに出会い、今日食べる魚の中にある骨はひとつだけ願いを叶えてくれる骨だ、と教えられます。
    お姉ちゃんは何をお願いしようか考えますが結局、騒動の中行方しれずになってしまった一番ちびちゃんが無事帰宅するようお願いします。
    ようせいのおばあさんがちびちゃんを連れて現れました。
    「どんなものをもらったって、おまえがいなければ なんにもならないわ」


    時代背景もかなり昔の設定でしょうか、ボンネット被ったねこちゃんの絵、クラシカルなタッチで描かれています。


    お話の流れも先が見えてますが、それでも結末にほっとします。

  • 4匹の猫のお姉さんモリーはお母さんが風邪で寝込んでしまったために晩御飯の魚を買いに出かけます。
    そこで出会った妖精のおばあさんに願いが叶う魔法の骨の話を聞かされ・・・
    モリーが選んだたった一つの願い事とは?

    主人公の家族は猫、その他の登場人物も全て動物なのが面白いです。
    街や市場のにぎやかな様子、家の温かい雰囲気など細かく描かれた絵を見ているだけで楽しい。

    この作品はディケンズの『The Magic Fishbone』のお話にヒントを得て描かれたそう。
    ディケンズは『クリスマス・キャロル』以外未読なので色々読んでみたくなりました。

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著者プロフィール

米国ニュージャージー州生まれ。19歳で絵本作家を志し、ニューヨークに移る。現在は、家族と3びきのネコとともにコネチカット州に住む。日本で刊行されている本に、『ないしょのおともだち』『おじいちゃんのコート』(以上、ほるぷ出版)、『シモンのおとしもの』(あすなろ書房)、『シンデレラ』(岩波書店)など。

「2019年 『数字はわたしのことば』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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