「今のこの,十一才のエネルギーを将来のために温存しておくことなんてできはしない。十一才のエネルギーは,十一才のうちに使い切るからこそ価値を持って輝くのだ」
「トリに限らず,男子というのは私たち女子のうかがいしれないところで何かを決意し,長い眠りに入ったりする生き物だった気がする」
「宇宙って知れば知るほど広いし,膨大だよなあ。でもさ,だからって人間がちっぽけとか,俺,そんなふうには思わねーんだよな。宇宙が広ければ広いほど,人間ひとりあたまの持分も増えるっていうか,担当範囲が広がるわけだからさ。とりあえず今んとこ,人間以外の知的生物は発見されてないわけだし。よし,がんばろうぜって,燃えてくるぜ」
「でも,心配すんなよ。就職組や受験組が来年はどっか遠くにいるみたいに,俺たちも来年は必ずどっかにいるんだから。今は何にも決まって亡くても,いやでも,どっか遠くにいるんだからさ」「遠くに?」「だって,宇宙は膨脹してるんだぜ」
森絵都って感じで良かった。やっぱこの人の文章の感じ好き。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2013年2月25日
- 読了日 : 2013年2月25日
- 本棚登録日 : 2013年2月25日
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