妖・花食い姥 (講談社文芸文庫)

著者 :
  • 講談社 (1997年1月10日発売)
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感想 : 7
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短篇集。7篇中、「ひもじい月日」(女流文学者賞受賞作)「黝(くろ)い紫陽花」「花食い姥」を読了。

前2作では、戦争を背景に、不遇な境遇にある女の希望が裏切られ破滅に向かう。
「花食い姥」は、花を食らう老女が主人公の内なる魑魅魍魎を白日の下に晒す。

邪悪な人間の業であるならまだしも、明朗な息子の兇暴性が発露したり、自らの愛情が息子を狂気に追いやったりするのはあまりに救いがない。
「花食い姥」で老女が無造作に花を食う描写は鮮やかだったのだが。
あまりの閉塞感と絶望的結末にめげてしまった。

読書状況:積読 公開設定:公開
カテゴリ: 文学(一般)
感想投稿日 : 2011年10月16日
本棚登録日 : 2011年10月16日

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