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etica13さんの本棚 > 錬金術師通り―五つの都市をめぐる短篇集


etica13さんの本棚»

図書館派。読んだ本を忘れがちなので備忘録がわりに。 たまに長い感想をblogに書いています。

レビュー by etica13さん

小説   読み終わった  読了日 : 2008年09月01日  3

「レポレロの回想」−ウィーン
強制収容所で体験した傷みの記憶から逃れられない老人の話

「薬物博物館」−ブラティスラヴァ
共産党支配下の東欧で生きおおせたインテリ老人の話

「クラクフにて」−クラクフ
「ヴェニスに死す」タッジオのモデルとなった老人を訪ねる話

「カフカの一人息子」−プラハ
カフカの息子と名乗る男の私設博物館を訪ねる話

「ヴァスコ・ポパのこと」−リュブリアーナ
スロヴェニアからパリへ渡りウィーンで死んだ画家の故郷を訪ねる話


人気TVプロデューサーだった男の人生を描いた映画の最後の台詞、年老いた主人公の言葉を思い出す。

「次に作ってみたい番組は、前にピストルを置いて素人の老人に過去を赤裸々に告白させる番組。語り終わった後で自殺しなかった奴が勝ち。」

生きることは常にどこか苦く、その苦味が重なり合って都市の陰影となる――そんな短編集だった。
登録日 : 2008年09月01日 22:50:20


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