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図書館派。読んだ本を忘れがちなので備忘録がわりに。 たまに長い感想をblogに書いています。
レビュー by etica13さん
「彼の背後で、部屋は眠りについてしまった。ベッドも彼の重みを欠いて、浮遊せんばかりに軽くなっている。下の階ではウクライナ人の、いまや名手となった子供が、死者たちを鎮魂する夜想曲を弾き出した。向かいのアパートの地下から、祈りの言葉が薔薇香油のように立ちのぼる。恋人よ、いまや雨が夜鷹たちにとって代わった。雨は青い光のヘルメットに叩きつける。その一滴一滴が、それ自身の青い電球を含んでいる。ひとたび砕けた水滴は、集まって青い川になり、なおもほのかな光を発し続ける。・・・」
詩人の目を通して描かれる「公認荒廃地域」シカゴ。
言葉で表現しきれない「割りなき念(わりなきねがい)」が日本語にはある(賀茂真淵)、そしてその「われないもの」=「もののあはれ」の感動をあらわしたものが和歌そのものなのだ(本居宣長)と国学では学ぶそうだが、わりなきねがいによって描き出されようとするものは日本だけではなく何処にでも、それこそ荒れ果てた都会の片隅にもあると教えてくれる本。
登録日 : 2008年10月05日 14:00:34


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