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過疎化に悩む町が仕掛けた捨て身の町おこし運動。それに青春を賭けるプータローの若者。行き詰まった産業廃棄物業者、そして、新興のカルト教団。ある土地をめぐってこの四者が偶然に出会った時、物語が動きだした―。第3回新潮ミステリー倶楽部賞受賞。
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応募の際のタイトルは『ぶつかる夢ふたつ』だそうだが、まさにそのままの内容である。町おこしの企画の公募に応じてお化け屋敷に特化したテーマパークの企画を応募した職を失ったばかりの若者と町の夢と、カルト教団の野望。ふたつの夢のまさに戦いと、そこにかかわる人々の事情や私利私欲が絡まりあったどろどろの物語である。ただ、この対立の図式にたどり着くまでがいささか冗漫に思われるのと、核になるほど強力な人物がいないのが弱点だろうか。といった感じの一冊である。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
た行の作家
- 感想投稿日 : 2010年12月27日
- 読了日 : 2010年12月27日
- 本棚登録日 : 2010年12月27日
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