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レビュー by Milkさん
映画はネタばれが多いので、小説を読んでからにしようと思い、本が読み終えた勢いで観たよ。映画は映画だと分かってはいても、つっこみ所は満載。同タイトルの別物語として見たとしても、2時間半という枠で広げて魅せるには面白みが足りない。本では2巻になってからしか明かされない物語の中枢を担うローレライシステムも始まって数十分後には物語に組み込まれていた。2時間半にまとめ上げる為には、本来居るべき人やものを省いて、根幹となる物語も再構成しないと組み立てられないのは分かる。でも、あんまりだ。原作では登場しない広島にも降った雨がイ507にも降り落ち、そこから広島の現状を知るというシーン。これ、設定上無理だよ。原作の設定からはみ出しているぐらいなら我慢する。でも、物語を進めていく上で、作品中も作品を超えた先にある世界であっても話が続かんようになる。それは、あかんやろ。設定上に無理があれば、後に続く航路は歪んでいくだけになる。正すべき進路は、見えていたのかしら? 少なくとも私の思っていた場所とは別場所に向かおうとしている事だけははっきりした。監督さん、清永や絹見はそんな人だった? 朝倉の思想とは、彼らが描いた日本や世界はそんなものだった? そこらに加えて驚いたのは、清永の馬鹿さ加減。演じていた佐藤隆太の演技うんぬんではなくて、主人公でもある折笠往人の親友である清永という人物像はそんな風にしか捉えられなかったのかという驚きと落胆だった。CGやセットは素晴らしいもので、そこから作り出された映像も中々のもの。だけども、物語としては成立していないと思える作品だった。同じ人が作り出した日本沈没を見た時も映像には感心した。こういう映像を作り出せる人が日本にもいる、そう思えた。でも、物語としては全然足りない。私はそう思ったな。そんなものという表現がよく似合う映画だと思ったし、映画を見た後に本を読もうと思う人がどれだけいるんだろうか? 映画を先に見た人が原作を読みたいと思っただろうか? 原作ありきで見た私みたいな人は、足りないと思うだろう。容量からしてあふれ出すのは分かりきっていた事だから、その中から使いたいもの、伝えたい事を掴み出して、まとめていくのが監督の腕の見せ所だろ? 2時間半を要して見せたかったのは、それだけなのか? 海中からイ507が浮き上がる映像を見ながら、イ507が浮き上がる際に沢山の疑問も海中から引っぱり出し、観終えた頃には?ばかりでいっぱいになる。原作の本があり、それを補う挿絵の如く映画がある。読者の想像力を掻き立てる為なのか、原作本には挿絵が1ページもない。その原作本の挿絵程度に見るならいいかと思える作品で、原作本を読んで勢い余って観た作品でもある。 レビュー登録日 : 2008年03月13日
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