詭弁論理学 (中公新書 448)

著者 :
  • 中央公論新社 (1976年10月25日発売)
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「あのう、お宅のピアノのことなんですが、夜分はやめていただけません?うちは子供が小さいものですから……」

「あーら、お宅のお子さんのうるさいの、知らないの?それにお宅でトイレ流す音だって、すごいのよ。どうお、お宅で、トイレやめてくれる?」

***

「小児病」の特徴をまとめていたら、父のことが思い浮かんできて二ヤリとしてしまった。

前半で「強弁」と「詭弁」について、典型的な例を用いつつ解説している。後半では論理学の知識・考え方を用いて、「詭弁」や「パズル」の解明を試みている。良い頭の体操になると思う。個人的には「典型的な例」を知るだけでも、「あ、自分は今、この人に丸めこまれているのかも」ということに、以前よりも考えが及びやすくなった。酔った父と話しているときは特に…(笑)



以下は「典型的な例」のメモ
***
【強弁】
・小児病(言いたいことをひたすら言い募る)

原因
①自分の意見がまちがっているかもしれないなどと、考えたことがない。
②他人の気持ちがわからない。
③他人への迷惑を考えない。
④世間の常識など眼中にない。
⑤自分が前にいったことさえ忘れてしまう。

原因の原因
A.自信が強すぎる。
B.好き嫌いの感情が強すぎる。
C.他人に対してきわめて無神経である。

【詭弁】
・二分法(人々や考え方などを、ある原理的な基準でふたつに分けてしまう考え方)

Ex. 一度でも悪いことをした人間をすべて抹殺するロボット、魔女狩り

・相殺法(相手の言い分を強引に帳消しにする)

Ex.冒頭に挙げた会話例(46頁)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2013年12月2日
読了日 : 2013年11月26日
本棚登録日 : 2013年5月20日

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