低線量汚染地域からの報告 チェルノブイリ 26年後の健康被害

  • NHK出版 (2012年9月25日発売)
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チェルノブイリ事故26年後のウクライナの実情、現地に住む人々の声についての取材をまとめられている。


◇甲状腺ガンと放射能の因果関係
・被害を受け続けているのはウクライナ
・原発事故によって自国民に何が起こったのかを間近で見ているはず

なのに

・資金や国力等といった面で不利なため
・「科学的証明」に苦労している

→因果関係が国際的に認められない


◇疫学的手法:
ある病気が放射線の影響によるものだ
→「ある病気について、被曝線量が多い人ほど、病気発生の割合がはっきり高い」という関係が必要

国際機関や日本、欧米の専門家は「疫学的手法で立証できないものは事実ではない」という立場を採る。

しかし…

ウクライナ:自己に関する客観的なデータの入手が困難(ソ連政府のデータ隠蔽・改竄等)


◇その他
・子どもたちの体調が悪いために、一部の生徒への措置として試験や宿題を廃止している。倒れてしまうから。
→でも、国の将来に関わる…

・ウクライナは独立後に核兵器を放棄している(P146)。しかし、総エネルギーの50%を原子力発電に依存している現実。電力不足で病院の手術がストップしたことがあるから。

「発展途上国のウクライナならいざ知らず、日本なら原発依存から脱却できるのではないか」というのがウクライナの人たちの見方。しかし実際は…

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 原子力・放射能
感想投稿日 : 2013年11月8日
読了日 : 2013年11月8日
本棚登録日 : 2013年11月8日

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