あたらしい生活にもだいぶ慣れ、したしくつきあう人も徐々にできてきたころ、よそ者のかれを「不吉な兆し」だとして忌み嫌い、遠ざけようとする大人たちによって、グンはとうとう島を追い出されてしまう。突然のわかれに心をいためる岬たち。もう一度彼女にあって誤解を解きたいとねがうかれはしかし、不屈の精神とたぐいまれなる生命力で奇跡の帰還を果たす。それからまた紆余曲折の後、ふたたび自由を手に入れたグンは、やはりかれをさがしていた岬と再会、けもの道を辿って、ゴンヅイが待つ早瀬桜に向かう。一方、島の秘密をしるゴンヅイは、そのとき命の危機に晒されていた……。2巻ではやくも失速したと早合点していたのだけれど、失速ではなく中だるみだったようで、後半やっとスリリングな展開がもどってきて、いよいよなぞがあかされるのだろう4巻が俄然たのしみになった。灯台に照らされたグンの顔を岬がそっと撫でる場面と、椅子ごと海におちたかれが底から魚群をながめる描写はとくにすばらしい。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
漫画
- 感想投稿日 : 2010年12月12日
- 読了日 : 2010年12月12日
- 本棚登録日 : 2010年12月12日
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