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ネタバレに配慮していません。

親切なクムジャさん プレミアム・エディション [DVD]

監督: パク・チャヌク 出演: イ・ヨンエ チェ・ミンシク キム・シフ

レビュー by Fさん

韓国映画   観終わった  読了日 : 2010年02月02日  5

「誘拐にはよい誘拐とわるい誘拐がある。よい誘拐はだれも傷つけない」そんな適当な(また復讐三部作ではおなじみの)セリフを吐く残酷な悪党にまんまとそそのかされ、重犯罪に手をそめた若き日のクムジャ(イ・ヨンエ)だったが、しかし、共犯者はあっけなく少年をころしてしまう。そしてまだおさない彼女のひとりむすめを誘拐、自分の身代わりになるようクムジャを脅迫した。殺人犯として服役すること13年、彼女は刑務所内で「親切なクムジャさん」とよばれ、慕われつつも恐れられている。綿密なようでいてそうでもない、クムジャの計画はもうはじまっていた。出所するとすぐさま彼女はかつての仲間をたずねていく。すべては復讐、いや贖罪のためだった。これは「復讐者に憐れみを」「オールドボーイ」につづくパク・チャヌク監督の復讐三部作完結編(といってもそれぞれが独立した長編で、他2作とのつながりはない)で、うつくしくユーモラスなピカレスクだ。いたるところに非情な可笑しさをにじませた、コミカルな脚本と演出がすばらしい。鑑賞は2度目だけれど、これからも幾度となく、この作品を観るとおもう。赤を基調とした映像の艶やかさと、それを引き立てるくすみのない白、凍てついた空気と澄んだ夜空が印象的で、だいすきな映画だ。セリフやナレーションもいちいちわらえて反芻したくなるし、女囚や遺族など脇役の個性も、丹念というほどではないにしろ、きちんとえがかれている。むすめからの手紙を訳す場面など、せつなくもほのぼのした描写も少なくない。なにより、あの美貌をゆがませて般若の顔をつくる、イ・ヨンエのしずかな怪演は心を打つ。カメオ出演陣も豪華だ。男を遺族にゆだねるくだりは、予想もしていなくておどろいたし、正直、蛇足とかんじないこともなかったけれど、あれも彼女の美意識なのだろうか。なんであれ、うつくしさは善悪を凌駕する。ラスト間際、むくわれず、すくわれず、ケーキに顔を埋めて悶えるクムジャ。そのすがたは滑稽で、物悲しいものの、傍らには愛するむすめがおり、彼女のすべてを赦している。舞い落ちる粉雪は血塗られた復讐劇を浄化しない。しかしそれは後味のわるい終わりではなかった。 登録日 : 2010年02月02日 09:37:03


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