蒼路の旅人 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2010年7月28日発売)
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感想 : 411
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虚空の旅人が本当に素晴らしかったので、本書でもチャグムの成長ぶりにまた感動するのだろうと期待に胸を膨らませ読み始めるが、これがなかなかのプロローグ!しかしながら、これを読まなければ、チャグムの真の旅が始まらない訳で、やはりかけがえのない物語なのだ。

第二皇子か産まれ、帝派との対立にまた苦しめられる日々、サンガル王より野蛮なあの南の大国タルシュ帝国からの侵略への援軍を求める手紙が届く、サンガル王家とは親しいチャグム、カリーナ王女からの意味ありげな密書を得、チャグムは自らタルシュ帝国の捕虜となるべく、南への長い航海の旅に出る…

この航海の間にチャグムを取り巻く人々、帝の盾で、かつてはチャグムを暗殺しようともした、しかし命を救ってくれたジン、サンガルの海賊船頭のセナ、ヨゴ王国を追われ、タルシュの鷹となったヒュウゴ、このヒュウゴとのやりとりが、チャグムをさらに強い皇子へと成長させてくれる。

この後に続く、天と地の守り人3部作への大事なプロローグに過ぎない巻だけれど、海洋を挟んだ南北の国々のそこに暮らす、暮らした人びとの暮らしを垣間見られる、粛々とした、けれど重要な物語だった。

とにかくこの後の3部作が楽しみだし、また長い長い物語への熱を上げさせてくれた。次早く読みたーい(・∀・)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2016年8月19日
読了日 : 2016年8月19日
本棚登録日 : 2016年8月19日

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